調剤薬局の寛一商店など/更生手続き開始、負債111億円

2024年09月03日 12:58 / 経営

帝国データバンクによると、7月26日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、同日保全管理命令を受けていた寛一商店(京都市中京区)とグループ8社は、8月31日に更生手続き開始決定を受けた。

同社グループは、2012年11月に設立された調剤薬局。2014年に「なぎさ薬局」の名称で店舗を開設後、全国の中小規模の調剤薬局を買収して事業を拡大。北海道から九州まで全国一円で50店舗以上の調剤薬局を運営し、北海道や富山県などで高齢者を対象とするデイサービス事業なども手がけ、年商は16億円程度で推移していた。しかし、大手薬局チェーンを中心に調剤併設型のドラッグストアが台頭、薬価引き下げの影響などもあって収益性が悪化していた。

また、事業拡大を目的にM&Aを繰り返し、それに伴う金融機関からの借入金負担も重荷となっていた。2020年以降は、新型コロナウイルス感染拡大による医療施設への受診控えの影響を受け処方箋数、売り上げが伸び悩んでいた。2024年に入ってからは、出資企業から追加融資を受けられず、一般個人からの資金調達をせざるを得ない事態に陥り、取引金融機関に対して返済猶予を要請していたものの、同意が得られず資金繰りがひっ迫。業績改善の見通しも立たないため今回の措置となったという。

負債は寛一商店が約52億400万円で、9社合計で約111億5400万円。

なお、現在も営業を継続しており、9月中にはスポンサー候補を確定し、その後スポンサーへの事業譲渡を実行する予定。

■グループ企業(登記面住所、負債額)
・アサヒ調剤薬局(北海道函館市、約29億円)
・ハヤシデラ(滋賀県東近江市、約6億9000万円)
・共生商会(青森県青森市、約2億1000万円)
・ハーベリィ科学研究所(北海道函館市、約8億5000万円)
・ソフトリー(新潟県長岡市、約6億2000万円)
・ライフプランニング(新潟市中央区、約4億円)
・新潟医薬(新潟市中央区、約1億6000万円)
・さくら調剤薬局(新潟市東区、約1億2000万円)

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