楽天は8月9日、定額制の電子雑誌読み放題サービス「楽天マガジン」の提供を開始した。
「楽天マガジン」は、スマートフォンやタブレットから、約200誌の電子雑誌を月額・税抜380円(税込410円)、または年間・税抜3600円(税込3888円)で提供する。
支払い方法は楽天ID決済で、楽天スーパーポイントを獲得できる。当日は楽天本社で、タレントの小島瑠璃子さんを招き、サービス発表会を開催した。
ファッションやビジネスからグルメ・トラベル、スポーツ・アウトドア、趣味・娯楽など、11ジャンルの雑誌記事を、いつでもどこでも好きなだけ読むことができる。
季節やトレンドを踏まえて読者が興味のありそうなトピックの記事を複数誌から選び、記事の読みどころを要約して紹介する独自のキュレーション・コンテンツ「記事まとめ」が読めるページも設け、さまざまな雑誌の特色ある記事に出会える機会を提供する。
「楽天マガジン」はウェブサイトから利用申し込みを行い、iOSまたはAndroidのアプリで雑誌を閲覧できる。申し込み日から31日間は無料で試せる。
相木孝仁常務執行役員デジタルコンテンツカンパニープレジデントは、「雑誌の市場規模は縮小しているが、雑誌だけを読みたい人、複数の雑誌を横断してみたい人もいる。雑誌に特化したサービスを提供することで、総合書店の楽天Koboと補完関係のあるサービスを提供する」と語る。
糸山尚宏デジタルコンテンツカンパニーシニアマネージャーは「良質な雑誌のコンテンツがあるにも関わらず、雑誌との出会いがない人もいる。雑誌に特化することで、良質なコンテンツと出会いを情報感度が高い人に届けたい」という。
目標ダウンロード数などの数値目標は非公表。まずは、約200誌の広告を除く紙面を提供する。
雑誌広告は、紙に印刷することを前提にした契約で、デジタルコンテンツとして、そのまま掲載できない課題がある。
出版社としてもデジタルに対応した収益機会の創出が課題となっており、今後、広告紙面部分を活用したデジタル広告のありかたを出版社と検討する。
楽天が提供する楽天市場、楽天トラベルといったサービスとの連携も視野に入れる。旅行雑誌から、そのまま宿の予約ができたり、ゴルフ雑誌からそのままゴルフ場の予約ができる、商品紹介ページから直接、楽天市場での買い物ができるなど、雑誌とインターネットを連携させたサービスを検討している。
相木氏は「現在は、単にコンテンツを提供しているだけだが、楽天が提供するさまざまなサービスと連携することで、紙の雑誌では断絶していた、雑誌記事と実際の購買行動の連携ができる。広告をクリックするのではなく、雑誌の本文から直接、ECサイトへつながる仕組みを検討しており、実現すれば、世界でも珍しい特徴のあるサービスになる」と将来の構想を語った。
■楽天マガジン
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