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ドリンク・ジャパン/コカ・コーラ、アサヒ、キリン「商品開発 成功例の裏側」講演

2016年06月29日 13:00 / トピックス

リード エグジビション ジャパンは6月29日~7月1日、飲料・液状食品の開発・製造展「Drink JAPAN」を開催している。

<Drink JAPAN>
Drink JAPAN

6月29日には、「商品開発 成功例の裏側」をテーマに、日本コカ・コーラのウォーター&スポーツカテゴリー 斎藤敦・バイスプレジデント、アサヒ飲料のマーケティング部 ブランド第三グループ 澤部和道・グループリーダー、キリンビバレッジのマーケティング本部 梶原禎智・商品開発研究所所長が、講演した。

日本コカ・コーラのウォーター&スポーツカテゴリー 斎藤敦・バイスプレジデントは、今年発売7年目となる「いろはす」のマーケティング戦略について説明。

2009年発売当時、家庭向け2リットルの水より利益率の高い500mlボトルで、20~30代男女の取り込みを狙い、「おいしさと環境にやさしい」の両立をコンセプトに誕生した。

従来の水のイメージと違い、エコを感じる緑を使ったデザインのボトルを採用。発売当時のCMも、明るく元気な楽曲を使い、「つぶせるペットボトル」でエコ、明るく、元気なブランドイメージを培った。

現在では、「エコ」のイメージをリサイクル・節約から広げ、水源保全活動に取り組み、商品ラインアップも「もも」や「サイダー」など増やしている。当初の「おいしくて、エコ」なイメージを踏まえつつ、「水」ブランドとしての強化、商品としての楽しさ、新しさなども重視している。

アサヒ飲料のマーケティング部 ブランド第三グループ 澤部和道・グループリーダーは、「十六茶」ブランドの育成の軌跡を成功と失敗を交えて解説した。

「十六茶」は1993年、缶飲料として前例のない「ブレンド茶」として出発し、東洋医学の考えを取り入れた健康にいいお茶としてヒットとなった。

しかし、広告タレントのひんぱんな入れ替えや、商品パッケージを緑から茶系にするなどブランドイメージが混乱し、伸び悩んだ時期もあった。

発売10年目に、初代広告キャラクターであった小林聡美さんを再度起用し、原点回帰を図った。

競合ブランドの出現で混乱した時期を乗り越え、「十六茶」らしさを追求。顧客の声を聞くことを徹底し、「ノンカフェイン」という新価値提案にたどり着いた。

そこで「十六茶」の支持層の厚い30~40代をメインターゲットとし、「家族にやさしい健康茶」を目指した。コンセプトの進化により、妊婦向け雑誌、子どもの登場するCMなど、広告・PRを徹底的にターゲットを絞り込み、実施した。

最近は、CMキャラクターも新垣結衣さんが7年連続で務めており、「カフェインゼロで体にしみわたるお茶」へステージアップ。渇きをいやす増量やご当地キャラクターとのコラボレーションといった「明るく元気」なイメージ作りを徹底し、6年連続で販売数を伸ばしている。

キリンビバレッジのマーケティング本部 梶原禎智・商品開発研究所所長は、キリングループの「Quality with Surprise~品質を極めることで、飲む人を驚かせたい~」をテーマに講演。

会社都合ではなく、顧客の声に応えたサプライズのある商品開発、プレミアムのある商品作りを「メッツ」、「生茶」などを例に説明した。

2012年発売の「メッツコーラ」は、特定保健用食品として、食事の際に脂肪を抑えるコーラとして初年度600万ケースを突破するヒットとなった。最近では、ガス内圧を上げるだけでなく、炭酸を強く感じる物質を加えることで、より炭酸を感じる製法をとるなど「タンサン・エンターテイメント」を追求し、楽しさの玉手箱のような炭酸ブランドを目指している。

また、「生茶」のリニューアルについて、2000年の発売から緑茶ブームをけん引する存在ながら、最近では最盛期の半分程度の販売にとどまっていたことから、「日本茶変えたい」と海外の目を参考に、「和モダン」な緑茶を考え抜いた。

ブランドは、商品(外・パッケージ)、味、広告の掛け算と考え、本質的価値の追求、ブランドの文脈づくりにこだわった。

パッケージは、従来に比べなめらかな形状で、ガラスボトルのような洗練されたデザインを採用。味も、お茶のいいところをまるごと出し切る「茶葉まるごと微粉砕」製法により、今までにない軽やかな広がりや余韻が生まれたという。

(Drink JAPANは業界関係者のための商談展。一般の入場は不可となっている)

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