ポプラ/浜松町「生活彩家 貿易センタービル店」無人AIレジ試験導入
2019年04月12日 17:10 / IT・システム
ポプラは4月12日、JR浜松町駅前のオフィスビル「世界貿易センタービル」地下1階の「生活彩家 貿易センタービル店」に無人AIレジを試験導入した。
システムコンサルティングを行うサインポストが開発した無人AIレジ「ワンダーレジ」2台を試験導入したもの。
貿易センタービル店は、駅前のオフィスビル内にあるため、早朝と昼間のピークタイムのレジ精算業務に負荷が大きい課題があった。
無人AIレジを導入することで、お客によりスムーズなレジ精算を提供するほか、店舗スタッフの生産性の向上を目指す。
ワンダーレジはサインポストが独自開発した人工知能「SPAI」と画像認識技術を活用した設置型の無人AIレジ。バーコードを読み取るのではなく、商品画像を商品マスター情報と紐づけることで、精算を行う仕組み。
1台100万円以下から導入できるのが特徴の一つとなっている。
試験導入で、お客の声を集め、レジの使いやすさを検証するほか、AIによる商品認識率の向上を目指す。
「生活彩家 貿易センタービル店」は、店舗入口に壁や扉がない開放的な店舗で、AIレジの視認性が高く、駅前店舗であり、ピークタイムの客数が多いことから、試験導入店舗として選定した。
今回、弁当、おにぎり、パン、菓子、飲料、酒など約1500アイテムが、無人AIレジで会計できる。これまでは数百アイテム程度に対応しており、1000アイテムを超える商品を対象にするのは初めて。
コンビニは商品の改廃が激しいため、新商品導入の2週間前にバーコードや価格といった文字情報をポプラからサインポストに送付し、発売前か発売当日に商品画像をサインポストが撮影して、商品マスターと店頭商品を一致させる。
商品の精算は、交通系電子マネーのみとなっているが、今後、対応する電子マネーを拡大する計画だ。現時点では、ポイントカードの対応はない。
今回は、実証実験段階でなく試験導入の位置づけで、商品認識の精度はかなり高いが、AIを活用して、多くのアイテムをより正確に読み取ることを目指す。
飲料やカップラーメンなど、同じ形状で異なるフレーバーが多い商品は、個別商品の見分けの難易度が高い。また、おにぎりも同じ形状でフレーバーが違う商品が多く、見分けの難易度が高くなっている。
袋菓子も商品形状が一定ではないため、画像認識のハードルが高いが、これまでの実験を通じて認識率を向上させているという。
逆に、商品形状が一定である箱入菓子は、画像認識がしやすい商品となっている。
年齢確認が必要な酒類は、店員が持つスマートフォンとアプリで連携し、お客が無人AIレジに対象商品を置くと店員を呼び出す仕組みとなっている。
店員が実際にお客を確認することで、法令に準拠した酒類の販売を行う。
2017年からワンダーレジの実証実験を行っており、2017年7月~2018年1月まで電気通信大学生協で、実証確認を実施した。
2018年9月28日から、JCB高田馬場オフィス内の社員向け売店に試験導入しており、現在も稼働している。ポプラは試験導入の2店舗となっている。
現在、ポプラは、大学内、ホテル内、庁舎内、病院内など閉鎖商圏への出店を強化している。
閉鎖商圏内の店舗は店舗を利用するピークタイムが、特定の時間に集中する特性をもっているため、貿易センタービル店の実績を踏まえて、今後の導入を検討する。
試験導入を通じて両社は、利用者の行動や店舗のオペレーションなどを分析し、社会問題となっている人手不足の解消に向けて、利便性や生産性の改善効果などを確認したいという。
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