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ロイヤルHD/割増退職金などで12月期当期損失275億円、21年予想は未定

2021年02月15日 10:40 / 決算

ロイヤルホールディングスが2月15日に発表した2020年12月期決算によると、売上高843億400万円(前年同期比40.0%減)、営業損失192億6900万円(前期は46億4800万円の利益)、経常損失198億5500万円(前期は46億3900万円の利益)、親会社に帰属する当期損失275億3200万円(前期は19億2300万円の利益)となった。

緊急事態宣言下には、外出自粛が呼び掛けられるとともに、政府や各自治体から臨時休業や営業時間短縮などの要請を受けることとなり、外食需要が減少した。一方で、テイクアウトやデリバリーでの販売が増加するなど、事業を取り巻く環境には大きな変化が生じている。

政府や各自治体からの方針や業界のガイドラインに対応しながら、各店舗、工場、オフィスにおいて感染防止対策の取組みを強化。各事業における需要の急減を受け、「緊急事態への対応」として費用削減の取組みや不採算店の撤退などを行った。

既存店売上高は第4四半期は、GO TOキャンペーンの効果もあり、ロイヤルホスト、てんやなど各事業で回復基調にあったが、12月は感染再拡大に伴い、減収傾向となったものの、対前年で6割程度に留まった。

投資有価証券売却益4億1100万円を特別利益に、固定資産の減損損失53億3000万円、早期割増退職金13億7300万円など、総額75億9800万円を特別損失に計上したほか、法人税など15億400万円、非支配株主に帰属する当期純損失10億1400万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は275億3200万円となった。

<黒須康宏社長>
黒須康宏社長

同日行われたオンライン記者会見で黒須康宏社長は、「コロナ禍で、4つの主要事業すべてが大きく影響を受けた。下期は外食中心に回復傾向にあるが、今後の情勢が不透明なため、2021年12月の業績予想は未定とした。現在、経費削減、下期賞与減額、残業低減、役員報酬減額、賃料減額・敷金返還交渉を推進し58億円のコストを削減。早期希望退職に1月31日まで315人が応募、2020・2021年で90店を撤退し、構造改革・事業再編を進めている」と説明した。

外食事業は、外出や会食を自粛する動きが拡がり、外食の需要が減少したことにより、売上高は462億5400万円(26.1%減)、経常損失は38億1300万円(前年同期経常利益23億7900万円)。

コントラクト事業は、空港ターミナル利用者の急減、高速道路通行量の減少、コンベンション施設での各種イベントの制限、顧客企業でのテレワーク強化などにより、売上高は185億6900万円(46.4%減)、経常損失は26億200万円(前年同期経常利益14億2500万円)。

機内食事業は、航空会社以外の取引先への業務食の出荷や雇用調整助成金の活用により、業績の回復を図ったものの、売上高は23億2500万円(75.6%減)、経常損失は18億7900万円(前年同期経常利益10億4000万円)。

ホテル事業は、企業の出張抑制に伴う需要の減少、国内での観光需要の低迷、インバウンド需要の消失といった事業環境において、テレワークプランの販売などのビジネス需要の掘り起こしや地域内の観光需要の取込みに注力したものの、売上高は139億9100万円(53.8%減)、経常損失は69億9600万円(前年同期経常利益36億2200万円)。

食品事業は、コロナ禍での消費行動の変化に対応し、内食市場をターゲットとした「ロイヤルデリ」の販売拡大に注力したが、売上高は81億7500万円(24.8%減)、経常損失は7億2700万円(前年同期経常利益2億4200万円)。

緊急事態宣言が継続されている状況であり、依然として新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明であるため、現時点では業績予想の合理的な見積もりが困難であると判断し、2021年12月期連結業績については未定とした。

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