高島屋/廃プラ削減などでサステナビリティ・リンク・ローン120億円調達
2022年08月31日 11:00 / 経営
高島屋は8月31日、三菱UFJ銀行とローン・マーケット・アソシエーションなどが定めたサステナビリティ・リンク・ローン原則に即した、「サステナビリティ・リンク・ローン」による借入額120億円のローン契約を締結した。
サステナビリティ・リンク・ローン原則では、借り手のサステナビリティ目標と連携したサステナビリティ・パフォーマンスターゲット(以下、SPT)を設定し、金利などの貸付条件とSPTに対する借り手のパフォーマンスを連動させ、SPT達成への動機付けを与えることで、環境的・社会的に持続可能な経済活動と経済成長を促進し、支援することを目指す。
<サステナビリティ・リンク・ローンの概要>
領域 | 重点課題 | KPI | 数値目標 |
環境 | 廃棄プラスチック削減 | 廃棄プラスチックリサイクル率 | 99.0% |
廃棄総量削減(2019 年比) | ▲26.3% | ||
社会 | ダイバーシティ推進 | 女性管理職比率 | 35.4% |
働き方改革推進 | 有給休暇取得率 | 80.0% |
契約では、SPTを設定し、2026年2月に終了する事業年度における達成状況に応じて、優遇金利が適用されるインセンティブが付与されている。さらに、SPTが未達成の場合、同社が脱炭素に向けた取り組みや人権保護活動など、環境・社会課題解決を目的とする組織に対して寄付を行い、その活動を支援するという条項が含まれている。貸し手による動機付けのみならず、仮にSPTが未達成となった場合でも、借り手による寄付という形で双方が環境・社会に貢献するという点で特徴ある設計になっている。
同社は、事業活動を通じ、SDGsの達成に強く貢献・寄与できる5つのテーマ(地球環境への配慮、まちづくり、アクセスフリー・ストレスフリーな商品・施設、持続可能な商品・サービスの提供、働きがいの創出)から、環境・社会領域で10項目の重点課題を設定している。
今回、設定したSPTはいずれも重点10項目に該当するものであり、SPTの達成は自社のESG経営を推進する上で重要な役割を担うものと考えている。このほか、2021年12月には、再生可能エネルギー由来の電力100%で運用するオフィスビル「日本橋三丁目スクエア」の開発を資金使途とする「髙島屋グループグリーンボンド」を発行した。今後も、環境・社会課題の解決に貢献できる資金調達方法を検討するなど、ESG経営と事業活動を両立する取り組みを進める。
■シンジケートローンの関連記事
ロイヤルHD/シンジケートローンで計285億円調達
流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。