トライアルHD/西友買収で売上高1兆2000億円、585店舗体制へ

2025年03月05日 19:16 / 経営

トライアルホールディングスは3月5日、西友を約3800億円で買収し、完全子会社化すると発表した。

<トライアル・西友共同記者会見>
トライアル・西友共同記者会見
※左からトライアルHDの石橋亮太取締役、亀田晃一社長、永田洋幸取締役、西友の野村優最高財務責任者、武田正樹執行役員

同日行われた記者会見で、西友買収の狙いについて、トライアルHD創業家出身の永田洋幸取締役は「西友の優秀な人材を当社グループの人材と融合させ、大きなシナジーが生まれると考えている。また、社内外で導入を進めているセルフレジ付カート・スキップカートの採用店舗を現在の240店舗からさらに増やす。購買力の高い関東でデータを集積し、リテールメディアの価値に寄与する」と意気込みを語った。

トライアルHDの2024年6月期の売上高は7179億円、営業利益191億円、2月28日現在で九州中心に343店舗を展開している。

西友の2024年12月期売上高は4835億円、営業利益235億円、関東メインに242店舗(2月28日現在)、従業員約1万9000人を保有している。

両社を単純に合算すると、売上高1兆2014億円、営業利益426億円、全国に585店舗持つことになる。

今後の経営戦略について、トライアルカンパニーの石橋亮太社長は、「両社のパートナーシップにより、人材の融合、売り上げ規模の拡大に加え、関東エリアの事業基盤拡大、商品力強化、製造・物流拠点の拡充、リテールテックの拡大を図る。

既存店の周辺にサテライト店舗として、顔認証セルフレジ、リモート監視などテクノロジーを活用したTRIAL GOを出店し、エリアシェアを高め、強固なドミナントを形成したい。現在、立地によって店舗のサイズ、品ぞろえを変え、コンビニのような規模、スーパーの規模とフォーマットを研究中だ。両社の融合により、規模の拡大と共に、流通業界の再編の主要な役割を担っていきたい」と説明した。

西友は関東133店舗を持ち、そのほか東北・中部・関西に店舗を展開している。トライアルHDは九州に133店舗を保有、関東60店舗を持つほか、中部・中四国・東北・北海道に出店しているが、今回の買収で、一気に人口の多い関東圏の店舗網を獲得する。

商品面では、トライアルの安価な総菜・弁当のノウハウを西友に提供。共同でプライベートブランド(以下:PB)を開発し、コスト削減、店舗の魅力向上を目指す。

両社のPBの名称変更は、予定していない。屋号の変更もないという。

製造・物流拠点も地域的な重複が少ないため、既存施設を活用し、効率的な製造・物流体制を構築したい考え。両社合計で、セントラルキッチン11施設、プロセスセンター10施設、物流センター50施設となる。

取材・執筆 鹿野島智子

トライアル/西友を3826億円で買収、完全子会社に

流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。

メルマガ無料登録はこちら

経営 最新記事

一覧

スーパーマーケットに関する最新ニュース

一覧

経営戦略に関する最新ニュース

一覧

DXに関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧