豊洲セイルパーク/「Aburi TORA -熟成鮨と炙り鮨- 豊洲店」オープン
2025年07月24日 14:29 / 店舗
Aburi TORA Japanは7月24日、豊洲セイルパーク(東京都江東区)2階に「Aburi TORA -熟成鮨と炙り鮨- 豊洲店」をオープンした。
ABURI Groupは、2008年にカナダ・バンクーバーで設立されたグローバルレストラン企業。現在、6ブランド全12店舗を展開している。
「日本の食で世界を熱狂させる」というビジョンのもと、レストランビジネスとソリューションビジネスの2つの中核事業に取り組む。このうち「Aburi TORA」は、「高級店クオリティの鮨をリーズナブルに楽しめる」ことをコンセプトとしている。
グルメ志向のファミリー層とオフィスワーカーを主なターゲットとしており、グループのマルチブランド戦略の中核を担う未来型のビジネスモデルだという。
2019年1月にカナダ・トロントで1号店を開業。現在、東京都内に集中出店するドミナント戦略を推進している。今年は豊洲店に引き続き、国内では駒澤、海外ではアメリカ・テキサスでも出店する予定だ。
中村正剛 CEOは「我々は魚全体の水分をコントロールして熟成させる技術を持っており、フードテックを使いこなして江戸前鮨を提供している。美味しい鮨を手軽に提供できるようにした。良い鮨を知っているお客様に『なんでこの安さで美味しい物が食べられるのだろう。予約の取りづらい店に行って、高い金を払う必要なんてないじゃないか』と思ってもらいたい」と述べた。
通常、熟成鮨を作るには、まず魚を氷水に1カ月間ほど漬け込み、寝かすことで中身の水分を飛ばす必要がある。その後、熟成によって外側の腐った部分を取り除き、水分が抜けて美味しくなった内側の部位のみを鮨ネタとして使う。
だが、Aburi TORAでは、世界初の氷結熟成技術「Cold Tech(コールドテック)」を採用。魚の一部を捨てることなく旨味を最大限に引き出した「氷結熟成ネタ」を提供し、これまでにない鮨体験を提供している。
主なメニューとして、氷温熟成でネタ本来の旨味を凝縮させるオリジナル商品「氷結熟成鮨」、自家製ソースで味わう「Aburi鮨」、直火で香ばしく仕上げた「炙り鮨」、岩塩とレモンで味わう爽やかな「塩と檸檬鮨」など、ここでしか味わえない極上鮨をラインアップしている。
注文にはタッチパネルを使用。商品は、近年の回転寿司のように高速レーンで運ばれる。カウンターのように敷居が高くなく、高級店の味を高い回転率で提供できるようにした。
想定客単価は3500円ほど。「大手のチェーン店に通う人たちに『安い鮨屋に2回行くより、ここに1回来た方が良いよね』と言われる店を作っている。商品のバリエーションも豊富だ。高級店に近づけながらも全体的にリーズナブルだが、回転寿司と比較すると安くはない」(中村CEO)という。
また、Aburiではシステムの自社開発も行っている。水産業の就業人口が減少している社会課題に対し、AIやDXなどの先進技術を活用して独自の業務プラットフォーム「All Solution」をこのほど開発した。経営・購買・人事など、飲食業界の構造的な課題を属人性に頼らずに解決し、持続可能な経営を支える統合ソリューションで、Aburiでの成功モデルをもとに構築している。
具体的には、「AIによるリアルタイム経営データ分析」「店舗ごとの売上・人件費予測と最適化」「発注業務の自動化」「生産者~消費者をつなぐデマンドチェーンの再設計」といった機能を備えている。物流の中間マージンや商習慣をDXによって見直すことで、グローバル市場で新しい日本の食ブランドと、持続可能な食のインフラ構築を目指す。
フードテックとDXを導入することで、高級店の味わいをリーズナブルな価格で提供しながら、従業員の負荷を低減することを実現した。「従業員に負荷を与えず、生産者に値切り交渉せず、彼らをサポートしながら運営できるビジネスモデルだ」と中村CEOは語る。
現在では、アジアからも出店オファーが来ているという。今後も基本的には海外での出店がメインになるが、将来的に国内でも直営店を20店舗ほどオープンしたい考えだ。
■Aburi TORA -熟成鮨と炙り鮨- 豊洲店
TEL:03-6225-0575
営業時間:11時~22時(L.O.21時30分)※最終来店21時
席数:89席(カウンター15席、テーブル席4名×5、テーブル席6名×9)
予算:ランチ3000円~/ダイナー5000円~
決済:現金、クレジットカード、バーコード決済(QRコード決済)、電子マネー、交通IC系
取材・執筆 古川勝平
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