ローソン 決算/2月期売上・利益ともに過去最高を更新、2030年度に利益倍増へ
2025年04月17日 17:21 / 決算
ローソンが4月17日発表した2025年2月期連結決算によると、営業収益1兆1707億3500万円(前期比7.6%増)、営業利益に相当する事業利益は1050億7900万円(11.7%増)、当期利益は599億4400万円(14.9%増)となった。
国内コンビニエンスストア事業や海外事業、成城石井事業の店舗売上高などを合計したチェーン全店売上高は、2兆8918億8900万円(5.1%増)となった。
営業収益、事業利益、当期利益、チェーン全店売上高のいずれも前年度に続いて過去最高を更新した。
既存店売上高は3.6%増、全店平均日販は57万4000円(1万8000円増)、2月末の国内店舗数は1万4694店舗(51店舗増)。
国内コンビニ事業は「ローソンでハピろー!」「盛りすぎチャレンジ」「Pontaパス会員向けクーポン」などのマーケティング施策が奏功し増収。
7月には次世代発注システム「AI.CO(アイコ=AI Customized Order)」を全店に導入。品ぞろえや発注数、値引きの推奨が適正化されたことで売上・利益の拡大に貢献した。
海外事業は中国の店舗数が332店舗純増して6620店舗となるなど堅調に推移。インドネシア364店舗・タイ208店舗・フィリピン200店舗などを含め海外事業の店舗数は7394店舗(2025年2月時点)となっている。
成城石井事業は自家製総菜や日配食品、生鮮品が好調で、駅ナカ店舗を中心に売上が伸長、既存店売上高は4.2%増となった。前期は広島に初出店し、東は仙台市から西は広島市まで店舗網を広げた。
チケットや映画、物販などを手掛けるエンタテインメント関連事業は、イベントや物販が好調で売上を伸ばし、利益は過去最高となった。
中期経営ビジョン「ローソングループ Challenge 2025」は、「ROE15%以上」「EPS500円以上」の目標指標を2年前倒しで達成している。
4月17日に行われた決算説明会で竹増貞信社長は「『ローソン Challenge 2025』の最終ゴールは当期利益で500億円を目標にして走ってきが、前期(2024年2月期)も520億円を超え、今期(2025年2月期)は599億円で、500億円という目標を2期連続2年前倒しで超えた」と説明。
これを踏まえ2030年度までの中期経営方針「ローソングループ Challenge2030」を策定。2030年度に向け連結事業利益を2000億円、当期利益を1000億円と、それぞれ倍増させる計画。
各事業別では、国内コンビニ事業で、日販30%増、店舗オペレーション30%削減を目標に据える。
海外事業は店舗数を現在の2倍となる1万4000店舗に増やし、売上高を2倍にする。
成城石井事業は2030年に店舗数を現状の約230店舗から100店舗増やして330店舗に拡大させる。これにより売上高と営業利益ともに60%増を目指す。
エンタメ事業では売上高と営業利益それぞれ40%増を目標に掲げる。
また、「Real × Tech Convenience」を掲げ、リアル店舗の強みとテクノロジーを融合した新たなコンビニを目指し、セルフオーダーや陳列ロボの導入に加え、よろず相談の対応、サイネージ活用などを行う。こうしたコンセプトの1号店「高輪ゲートウェイシティ店」(東京都港区)を近日オープンする予定。
取材・執筆 比木暁
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