三井不動産×オリィ研究所/分身ロボット活用した「日本橋ガイドツアー」をローンチ
2025年09月11日 13:22 / 経営
三井不動産とオリィ研究所は9月11日、日本橋エリアにて分身ロボット「OriHime」を活用した観光サービス「OriHime 日本橋ガイドツアー」を正式ローンチした。
「OriHime」は、遠隔地にいるパイロット(操作者)がロボットを介してその場に分身のように存在し、リアルタイムで会話やしぐさを交えながらコミュニケーションできる遠隔操作型ロボットとなる。
今回のガイドツアーは、パイロットが「OriHime」を操作しながら街の観光案内をする取り組み。分身ロボット「OriHime」を背負った参加者が、遠隔地にいるパイロットの案内で日本橋の街を歩く。オリィ研究所が運営する「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」(東京都中央区)から出発し、福徳神社などの日本橋の名所での観光や、日本橋ならではの老舗商店での買物を楽しめるという。
ロボットを介してパイロットと目線を共有し、会話やしぐさを交えたガイドを受けることで、単なる観光案内を超えた臨場感と交流が体験可能。パイロットは英語でのガイドやコミュニケーションができるため、外国から訪れるインバウンド客への対応にも活用でき、言語の壁を越えたスムーズな接客を実現する。
オリィ研究所は、2009年より移動困難者の孤独の問題解決を目指して「もう一つの身体」として機能する分身ロボットを提唱し、コミュニケーションテクノロジーの研究開発を推進してきた。
同社の分身ロボット「OriHime」のパイロットは、遠隔地から体を動かさずにガイドできるため、移動困難者でもパイロットを務めることが可能。インターネットを介した遠隔操作によって移動の制約をなくし、従来のテレワークでは困難だったカフェでの接客や肉体労働など幅広い役割獲得の道を拓いた。
一方の三井不動産は、創業の地でもある日本橋エリアにおいて官民地域一体となった街づくり「日本橋再生計画」を推進。「共感・共創・共発」の考え方のもと多様なプレイヤーと連携し、すべての人が安心して訪れ、だれもが活躍できるインクルーシブな街づくりを目指す中、オリィ研究所の企業理念に共感したという。
2021年以降「日本橋ライフサイエンスビルディング3」において、オリィ研究所の本社開設および「分身ロボットカフェDAWN ver.β」の開業を通じて、外出や就労が難しい人々の社会参加を促進する取り組みを支援してきた。
今回の「OriHime 日本橋ガイドツアー」では、三井不動産が街づくりから得た知見を提供することで、「OriHime」の活用フィールドをこれまでのレストランや商店などの屋内から、日本橋全体の「街」という面へと大きく広げていく。
「OriHime」のさらなる活用機会を創出するとともに社会的認知度を向上させ、ロボットと人が共に活躍する街の新しいあり方を日本橋から発信する。D&I推進だけでなく、観光業の人材不足という社会課題の解決にもアプローチしていく。2030年には6000万人の訪日が見込まれるインバウンド客への街の新たな観光資源とすることを目指す。
■分身ロボットカフェDAWN ver.β
所在地:東京都中央区日本橋本町3-8-3 日本橋ライフサイエンスビルディング3 1階
営業時間:11時~19時※OriHimeが接客する席の営業時間は店舗全体の営業時間と異なる場合がある
定休日:木曜日(祝日の場合は営業)
席数:約70席
公式サイト:https://dawn2021.orylab.com/
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