良品計画 決算/8月期営業収益13.8%増、価格改定・値下げ抑制などで利益改善
2024年10月11日 16:48 / 決算
良品計画が10月11日に発表した2024年8月期決算によると、営業収益6616億7700万円(前年同期比13.8%増)、営業利益561億3500万円(69.4%増)、経常利益557億7700万円(54.3%増)、親会社に帰属する当期利益415億6600万円(88.5%増)となった。
営業収益は、新規出店に伴う店舗数の増加に加え、国内の売上が好調に推移したことで、増収となっている。国内における価格改定に伴う効果や値下げの抑制により、営業総利益率が改善。円安効果により、営業利益および経常利益は増益となった。本社売却益の計上等もあり、親会社株主に帰属する当期純利益も増益となっている。
7月に上方修正した通期の連結業績見通しに対する差異について、営業収益は計画通り。国内事業の収益改善が進むとともに、円安に伴う押上げ効果も加わり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも見通しを上回った。
国内事業の営業収益は3889億3500万円(13.4%増)、セグメント利益は397億1500万円(61.8%増)。スキンケアや日用消耗品をはじめとする生活雑貨が好調に推移したほか、SNSや自社アプリMUJIpassportなどを通じた継続的なマーケティング活動が集客に寄与したことで、増収となった。
セグメント利益は、価格改定のほか、値下げの抑制などで営業総利益が改善し、人件費をはじめとする販売費および一般管理費の増加を吸収したことで、増益となっている。
東アジア事業の営業収益は1945億5900万円(13.4%増)、セグメント利益は355億2900万円(16.7%増)。中国大陸は消費環境が厳しく、客足が鈍化し売上が伸び悩んだものの、新規出店に伴う店舗網の拡大と経費コントロールに努め、増収増益を確保している。台湾、香港、韓国も増収増益だった。
東南アジア・オセアニア事業の営業収益は391億3800万円(24.4%増)、セグメント利益は45億9900万円(59.8%増)。タイ、マレーシア、ベトナムなど東南アジアへの出店を強化し、出店経費が先行したものの、円安に伴う押上げ効果も加わり、増収増益となる。
欧米事業の営業収益は390億4300万円(10.0%増)、セグメント利益は55億600万円(494.1%増)と、円安効果も加わり、増収増益だった。
北米では、店舗運営力の向上と経営体制の強化を進めたことで売上が伸長し、増収増益。欧州では、事業再編の一環として4月に連結子会社「MUJI Europe Holdings Limited」を清算手続きし、新会社である「MUJI Europe Limited」のもとで店舗運営を継続している。
再編と併せて不採算店舗の閉鎖を進めるとともに、コスト構造を見直し、収益改善と財務基盤の強化に努めたほか、円安効果もあり増収増益となった。
期末における無印良品(ライセンスドストアを含む)の店舗数は、前期末に比べ117店舗増加の国内外計1305店舗となった。国内では、郊外の生活圏を中心に76店舗を出店し、期末店舗数は623店舗。海外では、中国大陸、香港、タイ、マレーシア等に73店舗を出店し、682店舗となる。
今後については、グローバルなサプライチェーンモデルを維持しながら、地産地消型のサプライチェーンである「地域分散資源循環業」へ転換していくことで、新しい事業モデルを構築し、持続的な成長を実現していく。
2025年8月期は、営業収益7340億円(10.9%増)、営業利益550億円(2.0%減)、経常利益530億円(5.0%減)、親会社に帰属する当期利益380億円(8.6%減)を見込んでいる。
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