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第一経営/事業破綻、負債総額約100億7000万円

2009年02月25日 / 経営

東京商工リサーチによると2月23日、神田精養軒などの親会社、第一経営(福岡市博多区)が20日付で事業を停止、事後処理を4名の弁護士に一任した。これに伴い、関連会社も破産手続申し立てを準備しており、第一経営も含めた7社の負債総額は約100億7000万円に上る模様。

負債額の内訳は、第一経営が約57億6100万円(平成20年9月末時点)。以下、関連会社のシェフガトー(埼玉県さいたま市、洋菓子製造)が約6億2000万円、シェ・コパン(兵庫県神戸市、洋菓子製造販売)が約7億6500万円、パンロード(神奈川県相模原市、パン製造)が約3億2000万円。

ジェラール・ミュロフーズ(埼玉県さいたま市、パン・洋菓子製造)の負債額は約8億2400万円、神田精養軒(東京都新宿区、洋菓子製造)が約12億3600万円、芦屋ぎんなん(大阪府大阪市、洋菓子製造・レストラン経営)が約5億4400万円。

第一経営は1971年6月に福岡市博多区の割烹「蔵前」の創業からスタートし、現代表が1984年4月に有限会社として法人化。1992年7月に株式会社化した。パン・ケーキ・洋菓子の製造業者で、パン直売店1号店の開店後、粕屋郡志免町に工場を建設。

その後、破産したお菓子の欧州(福岡市博多区)の工場・店舗・「博多山笠」の商標を買収し、埼玉県の東京工場も稼働させ、広島、福岡など各地に相次いで工場を開設し5工場体制とした。並行し直販部門のパン工房、和食料理店など15店舗を開店した。

しかし直販部門は閉店が相次ぎ、洋菓子部門は手作りケーキの店「シェフガトー」に業態を変更するか閉店させて業態転換を進めた。並行して神奈川県相模原市の「パンロード」、東京の高級洋菓子店「ジェラール・ミュロ」の営業権譲受などグループを拡大

。2004年4月には朝日食品工業(東京都豊島区)を、2005年9月にはポッカコーポレーション子会社で14店舗を抱えるシェ・コパン(菓子製造販売)を相次いで買収。2006年春には東京の「神田精養軒」、2007年には横浜「フランセ」グループ、同年9月には近畿の「芦屋ぎんなん」と買収を続け、買収したグループ各社との相乗効果で売上は拡大。第一経営単体では2008年3月期に売上高約61億4050万円を計上。朝日食品工業を除外したグループの総売上も約180億円に達した。

買収した企業には経営不振に陥っていた企業もあり、芦屋ぎんなんは、当初10年償還の計画で8億円弱の債務を支援し、支払い延長などの再建策を進めた。度重なる買収で金融債務が増大し、一部金融機関の貸し渋りと業者の足並みの乱れなどで資金調達が難航。

このため、支払い延長を仕入先各社に要請してきたが、税務調査で追徴課税約1億5000万円が発生し債務超過に陥ったため今回の措置となった。フランセ、フランセ・コンフェクショナリー、朝日食品工業の3社は20日までに株式を返却し、グループから離脱したと見られる。 

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