ニトリ/百貨店への出店を本格化、都市型フォーマットを確立
2017年03月15日 19:37 / 流通最前線トレンド&マーケティング
百貨店にふさわしい店内環境を整えるため、店内照明は間接照明で統一し、スポット照明を採用することでより商品が映える演出を目指した。
似鳥会長は「百貨店にふさわしい内装を作るため、30代女性を中心としたチームを結成し、店内演出の提案をしてもらった。照明だけでなく、プレゼンテーションも変化させた。レジは白を基調にし、床も木目調にするなど演出にこだわった」と語る。
マロニエゲート銀座店、タカシマヤタイムズスクエア店など、新しい店内演出を採用した店舗の売上が好調なことから、2018年2月期には売場面積約5000m2、約6600m2の店舗を中心に約60店を80億円をかけて改装する計画だ。
似鳥会長は「店舗数が300店を超え、1年で10店改装しても30年かかることになる。ここは一気に人員も投入し、なるべく早く改装を行う」という。
ニトリ東武池袋店は、延床面積約4200m2、店舗面積約3800m2と百貨店内の都心型店舗として最大規模で都心の旗艦店と位置付けている。
似鳥会長は「本当のニトリを見てもらうには、3300m2では足りない、5000m2、6600m2の郊外型店舗の規模があれば、すべての商品を見てもらえる。今回は、東武百貨店さんのおかげで、これだけの面積を確保できたが、東武百貨店さんが増床を検討してもらえるような実績を残したい」と語る。
都心型店舗は、店舗面積が限られるため、家具ではデザイン、色、サイズ、機能が違う商品などの多様なニーズに対応できない。ホームファッションでも品種を絞り込んだ商品構成となり、お客の選択肢が少なくなる課題はあるという。
ただ、都心部では、セミオーダーカーテンの需要が高いことから、カーテンを重点品目に位置付けた。マロニエゲート銀座店、東武池袋店ともに、カーテンの展示スペースを拡大し、より色柄を感じやすい売場構成を採用した。
ニトリでは、毎年、アメリカとヨーロッパに1000人を派遣して商品開発をしている。
似鳥会長は「毎年、社員を欧米に派遣し、欧米の流行をいち早く取り入れている。日本では一番早く、ホームファッションを提案する店舗となっている」と語る。
日本では壁紙を変える習慣がないが、欧米では壁紙を変えて部屋全体をコーディネートすることが一般的になってきている。そのため、昨年冬からニトリでも壁紙の取扱いを開始し、壁紙の提案も行っている。
商品ディスプレイでも、2016年9月に中目黒の「BALS TOKYO 中目黒」の跡地にオープンした「ニトリ中目黒店」から、コーディネートルームのパーテーションの色を商品ディスプレイに合わせる取り組みを開始している。
中目黒店から開始した建物の柱周りや壁面を活用した商品ディスプレイを、都心型店舗では採用することで、限られた店舗面積でも商品の露出を高め分かりやすい陳列とした。
2015年4月のプランタン銀座への出店、2016年9月の「BALS TOKYO 中目黒」の跡地への出店、同年9月の東急百貨店東横店へのデコホーム出店、同年10月の上野マルイへの出店、同年12月のタカシマヤタイムズスクエアへの出店などで、ニトリは都市型店舗での商品構成や店舗オペレーションについて検証を重ねてきた。
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