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サミット/日産5万パック全店に商品供給「川崎塩浜プロセスセンター」

2018年12月11日 15:50 / 流通最前線トレンド&マーケティング

サミットは12月11日、川崎市で稼働した「川崎塩浜プロセスセンター」を報道陣に公開した。

<川崎塩浜プロセスセンター>
川崎塩浜プロセスセンター

店舗での採用難、人手不足に対応し、精肉部門の店内作業を軽減することで、精肉・惣菜部門の強化やサービスにつなげるため、プロセスセンターを新設したもの。

現在、売場面積660m2~900m2の都心型店舗の出店も進めており、精肉部門のバックヤードを削減することで、狭小立地の店舗開発の自由度を高める。

鶏肉、豚肉を中心とした精肉のプロセスセンター(PC)で、2020年3月末までに1日あたり5万パックの製造を目指す。最大製造能力は6万パックとなっている。

12月5日からテスト稼働を開始し、現在、日産で4000パックから5000パックの精肉商品を生産、2019年1月下旬には、本格稼働を開始し日産8000パックを生産する。

11月末時点の店舗数は東京82店、埼玉14店、神奈川14店、千葉4店、合計114店。2019年1月下旬に、まず24店に商品供給し、2020年3月末には、全店に商品供給する予定だ。

現在は、1日1便1コースの運用だが、将来的には1日2便13コースの運用を想定している。

配送は、川崎塩浜プロセスセンターから店舗への直送のほか、大井物流センター(84店対象)、浦安物流センター(30店対象)経由の3つで全店への商品供給を行う計画だ。

<伊藤センター長>
伊藤センター長

伊藤真義センター長は、「店舗でのインストア加工と同様に、チルド原料を使用したラインを設置することで、インストア加工と同等レベルの商品を製造することが可能になった。今後は、衛生管理や商品管理を工場させ、販売期限の延長にも取り組みたい」と述べた。

プロセスセンターでは、豚肉の加工、赤どりの加工、ラム肉の加工、とりひき肉の加工、牛豚ひき肉原料(粗挽きまで)を行う。製造商品は最大で200SKU。

鶏肉は100%国産原料、豚肉は70%が国産原料、30%が輸入原料。合い挽きのひき肉に使用する牛肉とイベリコ豚は冷凍原料だが、その他の原料は全てチルド原料を使用する。

これまで、精肉部門のPC商品は、精肉事業者のヨコオの商品を使用していた。川崎塩浜プロセスセンター稼働後も、事業のBCP対応や配送効率の面から、ヨコオの商品を継続する。

ヨコオは、牛肉商品の加工、約40店の豚肉商品の供給、精肉部門の原材料を使用した惣菜「グリルキッチン」の原材料の加工を担う予定だ。

今後、精肉部門は100%PC商品店舗、店内加工商品とPC商品のハイブリット店舗など店舗の売上高や立地に応じて、店舗ごとの運営を変更する計画だ。

現時点では、鶏肉、豚肉、ひき肉をプロセスセンターで対応し、牛肉やその他商品を店内加工とするハイブリット店舗が一番多くなる予定で、100%PC供給店舗を含め3~4パターン程度の組み合わせ想定している。

店舗面積に余裕がある東長崎店(豊島区)や成城店(世田谷区)は、インストア加工を主体に運営する予定だ

<出荷バース>
出荷バース

主な生産機器は、高速スライサーギャラクシー2台、自動ベンディングスライサーAZ2台、ミンスパッカーMP083(半自動ひき肉製造機)、チルドダイサー(チルド原料角切り機)など。

高速包装値付けライン(4ライン)のほか、KP150、高速ノントレイ包装ラインを導入した。

ノントレイ商品は、トレーゴミが出ず、冷凍庫にしまいやすいことからニーズが増加しており、通常商品に比べて2~3%売上が増加している。

現在、ノントレイ商品は20アイテム程度で、高速ノントレイ包装ラインは、1分間に30パックの製造が可能で、商品の加工作業の効率化を図る。

川崎塩浜プロセスセンターの稼働時間は8時~19時で、当日生産した商品は翌日、店舗へ配送する。将来、店舗数が増加した場合は、稼働時間を延長することで生産能力を高める予定だ。

プロセスセンター内の作業場は8度、通路は4度で温度管理をしており、原材料の入庫から出庫までのコールドチェーンを形成している。

製造日はインストア加工商品よりも1日古くなるが、衛生管理や品温管理がが店舗よりも向上しているため、販売期限はインストア加工商品よりも1日長くなっている。

店舗では、PC対応の精肉商品は前々日に発注するが、1週間分のプレオーダーをとるほか、過去の特売も踏まえた販売データを参考に発注数量をセンターから店舗へ勧告することで、品切れを防止する。

インストア加工商品は荒利が高いが、人件費が高い、プロセスセンター商品は荒利が低いが、人件費は安くなるという特徴がある。

サミットは世田谷区や杉並区で、店舗をドミナント展開しており、パート・アルバイトの確保が難しくなっている。プロセスセンターの商品を活用することで、店舗全体の収益力を向上させたいという。

<惣菜用揚油専用タンク>
惣菜用揚油専用タンク

川崎塩浜プロセスセンターでは、惣菜用揚油の小分け施設を設けた。惣菜部門を強化する中で、惣菜部門のコスト削減も課題であり、揚油の小分け配送を自社で行う。

2019年1月下旬から、1ロット4kg×3パックの惣菜用揚油の全店への配送を行う予定だ。

<フロアレイアウト>
フロアレイアウト

住友商事グループの住商フーズが施設を借り受け、サミットは住商フーズからの転貸でプロセスセンターを開設した。

現在、原材料の供給は、住商フーズのほか、スターゼンニッポンフードなどさまざまベンダーを活用している。

2階に住商フーズの精肉倉庫、3階にサミットの川崎塩浜プロセスセンターを配置することで、原材料の供給・保管・加工といった一連の流れを、住友商事グループで連携して効率化する計画だ。

■川崎塩浜プロセスセンター
所在地:神奈川県川崎市川崎区塩浜2-12-21
アクセス:京急線「京急川崎」またはJR線「川崎駅」から
臨港バスで18分の「塩浜2丁目」で下車し徒歩1分
構造:鉄骨造地上3階建て
敷地面積:5328m2
延床面積:8271m2(3階建)
うちサミット占有面積:3112.7m2
入・出庫バース:12バース
社員数:50人(正社員10人、パート・アルバイト40人)
稼働時間:8時~19時
設計施工:大和ハウス工業横浜支社

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