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オンワード/OMO型新業態「ONWARD CROSSET STORE」の挑戦

2021年07月02日 16:10 / 流通最前線トレンド&マーケティング

動画で販売、QRコードのメモなど顧客利便性を重視

「クリック&トライ」以外にも、「ONWARD CROSSET STORE」では、デジタルサービスとして、オンライン上でも、実店舗でも、スタイリストの接客を受けることができる「パーソナルスタイリング」を導入。利用者は、自分の都合の良い時間に、気になる商品の詳細やスタイリングまで、ストアのスタイリストからオンライン上でも、実店舗でもアドバイスを得ながら買い物を楽しむことができる。また、お気に入りのスタイリストを指名することも可能だ。

<動画で紹介した商品をすぐにオンライン購入できる>
動画で紹介した商品をすぐにオンライン購入できる

また、動画で紹介した商品をすぐにオンライン購入や試着予約ができる「スタイリングライブ」も実施している。利用者は、自宅などどの場所でも商品紹介の動画を閲覧できる。毎週金曜日に様々なテーマでライブ配信を行い、利用者自身でオンラインストア上を検索し購買する場合とは違う新たな体験を提供する。動画を見て気になった商品があれば、同ページ内の画像をクリックし商品を購入できる。また、ストアに商品を取り寄せ、試着してから購入できる。

<店と自宅をつなぎ買物できる「スタイリングライブ」>
店と自宅をつなぎ買物できる「スタイリングライブ」

オンワードグループは、実店舗のショップスタッフを軸にオムニチャネル化を推進するアプリケーションサービス「STAFF START」をECで採用しており、ショップスタッフは自分で撮影したコーディネートに商品情報を紐づけ、ブランドの自社サイトやSNSに投稿、全国の顧客に対しコーディネート投稿を通じてオンライン上で接客を行う。

ショップスタッフが投稿したコーディネート・動画を経由し販売に至った場合は、投稿したスタッフの実績としてカウントされ、店頭での販売実績と合わせて評価することでスタッフのモチベーションアップや会社との関係性強化も図れる。そのほか、「ONWARD CROSSET STORE」の3店舗では、店舗で買物中の顧客の気になる商品をQRコード化し、顧客のスマホへ即座に商品URLを、メモ代わりに伝えることができる機能も採用している。顧客利便性とともに、スタッフのモチベーションアップにもつながる仕組みとなっている。

オーダー、リペアなど既存サービスもデジタルと組み合わせて提供

対象商品のサイズやカラーを選択して、利用者の体型に合わせてカスタマイズできる「カスタマイズ」も対応している。利用者は、好みの形・色・シューズと自身の身長を入力することで、スマホやPC から気になる商品を着用したイメージを確認可能。最新の3Dcad技術を活用することで、オンライン上で商品写真を見るよりも、よりリアルな着用イメージを実現している。同サービスは、オンワードの最短1週間で高品質なオーダーメードスーツを作ることができる「KASHIYAMA the Smart Tailor(カシヤマ ザ・スマートテーラー)」の技術を生かし、グループの総合力で細やかなサービスを提供している。

オンワードリペアセンターと連携した、洋服のリフォームやお直しを実施する「リペア&メンテナンス」は、オンライン上での料金表の確認も可能だ。従来からあったリペアセンターのサービスを店舗でも受け付けることで顧客利便性を向上させた。

「デジタルサービスももちろんですが、アパレルメーカーとして培った歴史、技術を生かしています。リペアもすでに実施していたサービスですが、『ONWARD CROSSET STORE』を介してお客様に表現することで、商品を見に来るだけではなく、何度も様々な理由で来店してもらえるきっかけになると考えています」と前川氏。

<リユース商品の販売も行う>
「ららぽーとTOKYO-BAY」店リユース商品の販売も行う

さらに、店頭で利用者から同社の衣料品を引き取り、可能な限りリユース・リサイクルを行っている。「ららぽーとTOKYO-BAY」店のみ、リユース品も販売している。リユースについては、状態の良い衣料品を選別しクリーニングしたものを、チャリティー価格で提供し、その収益は環境・社会貢献活動に役立てる。リユースできない衣料品は毛布や軍手などにリサイクルし、日本赤十字社の協力のもと、国内外の被災地などへの支援に活用することで、店舗からの社会貢献も目指す。

「デジタルサービスを充実させるだけでなく、楽しくお店に来て、楽しく買物をしてもらうにはどうしたらいいか。それを探るのが、『ONWARD CROSSET STORE』の役目です。楽しい店でないと、気になるのでもう1回行ってみようか、買わないけどとりあえず行ってみれば何かあるんじゃないかという状態にはなりません。既存のお客様との関係を深めて、さらに雑貨、サービスに興味をもってもらうことで、新たなお客様を開拓したい。将来的には、新業態で得た経験・お客様の意見をもとに商品開発も取り組みたいです。クリック&トライは、SCで展開するブランドのエニィシィスなどグループ約120店舗以上に導入しています。『ONWARD CROSSET STORE』で好評だったサービスはほかにも、ブランド特性、立地などを考慮しつつ、既存店に必要なものを導入したいと考えています。この新業態で得た知見による、会社全体への貢献も目指したいと思っています」と前川氏は意気込みを語ってくれた。

<アパレルとして培った歴史を生かしたいと前川氏>
アパレルとして培った歴史を生かしたいとオンワード樫山 前川氏

前川真哉氏略歴
2006年:オンワード樫山入社、東京店販売一部販売一課 配属
2020年:流通開発Div. 流通戦略Sec.課長就任
2021年:第二カンパニーOMO Div.課長(現在)
入社より14年間、「23区」を中心としたレディスブランドの営業担当を務める。顧客と距離が近い現場で長年培った経験を基に、2020年に新規事業開発に携わり、現在に至る。

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