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オンワード/OMO型新業態「ONWARD CROSSET STORE」の挑戦

オンワード樫山は、4月から、実店舗とオンラインストアのメリットを融合した新業態のOMO型店舗「ONWARD CROSSET STORE(オンワード・クローゼットストア)」の展開を本格開始した。アパレルにおける顧客ニーズ、リアル・オンライン問わない買い方の多様化は止まらない。ECでの販売強化は、アパレル各社の大きな課題だ。しかし、店舗で買う楽しさ、スタッフの接客など、顧客とのタッチポイントとなる実店舗の重要性は変わらない。流行だけでなく、顧客ニーズを的確にとらえながら、実店舗とデジタルサービスを組み合わせ、どのように魅力的な店舗をスタッフとともに作っていくか。「ONWARD CROSSET STORE」の挑戦について、第二カンパニーOMO Div.の前川真哉課長に聞いた。

<トップ画像前川氏>
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実店舗とECのメリットを融合させた新業態

「ONWARD CROSSET STORE」は、ブランド横断でオンワードグループの商品(一部ブランドをのぞく)、買い付けした雑貨などを編集した新業態となる。試着をして購入ができる実店舗のメリットと、幅広い品揃えがあるオンラインストアのメリットを融合し、通常の店舗在庫に加え、オンライン上の商品をブランドの垣根を超えて取り寄せ・試着・購入することができる「クリック&トライ」、デジタルを活用した顧客利便性を高めるサービスなどを充実させている。

<店舗外観>
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オフィスでもリモートでも、多様化する働き方の中で自分らしい⼼地よさを発見できるウェア・雑貨の「WORK」、休日の外出着、アウトドア・ガーデニング雑貨などを扱う「HOLIDAY」、睡眠、入浴などのリラックス雑貨や美容ケアアイテムを提供する「WELNESS」の3分野を中心に、アパレル以外に雑貨も含め、利用者が「今、欲しい」と感じられる様々な商品がそろう。

展開面積の半分はアパレルで、それ以外は雑貨などで構成。梅雨の時期にレイングッズを提案したり、父の日などプレゼントニーズ、食品を含めたライフスタイルの提案で変えたりと商品の品ぞろえだけでなく、アパレル、雑貨、サービスを組み合わせ、いかに楽しく店舗を表現できるか日々模索しているという。

「当社は、レディス、メンズ、子ども服などブランドでテイストを分けつつ、1ショップ1ブランドの形でお客様に商品を提案してきました。『ONWARD CROSSET STORE』は、急速に変化する時代に対応する新業態です。一つのショップに様々なブランドがそろい、リアル・EC問わない買い方、サービスもお客様が選べる、お客様に買い方をカスタムしていただける店を目指しています」と前川氏。

<雑貨とアパレルを組み合わせて特集>
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昨年11月から、OMO 型店舗の実験店舗を開始。「ONWARD CROSSET STORE」としては、今年4月10日に「イオンモール羽生」(埼玉県・羽生市)、4月17日に「mozo ワンダーシティ」(愛知県・名古屋市)、そして4月24日、旗艦店を「ららぽーとTOKYO-BAY」(千葉県・船橋市)にオープンしている。「百貨店メインだった従来の出店戦略と違い、商業施設中心に出店しています。脱百貨店ではないですが、どこにお客様がいらして、何を欲しているかという軸で考えるため、郊外型ショッピングモール、都心の商業施設、地方のショッピングセンターと出店場所に変化をつけています。百貨店中心のビジネスだった我々は、ほかの立地でのお客様とのつながり方をまだまだ勉強中ですが、3店舗でのお客様の買い方の違い、近くにショップがないお客様への対応など様々な課題が見えてきました」と前川氏は言う。

「ターゲット層は、理想を言えば特に決めたくないですが、アパレルの既存ブランドを購入されるのは、40~50代女性のシェアが大きいです。雑貨も扱っており、ユニセックスラインの洋服、父の日などイベントの時、カレーのフェアなどの場合は男性の購入も増えますので、ターゲット層は多様化していきたいですね」と前川氏。

<梅雨の時期はレイングッズを特集>
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ブランドの垣根を超えて店舗に取り寄せられる「クリック&トライ」

特に、同社が新業態で強化しているのが、オンラインストア「ONWARD CROSSET(オンワード・クローゼット)」上にある在庫を、ブランドの垣根を超えて店舗に取り寄せて試着、購入できる「クリック&トライ」だ。従来、利用者が商品を購入する場合、ブランドの店舗へ足を運ぶか、オンラインストアで試着をせずに購入する必要があった。しかし、同サービスは、利用者がオンライン上にある商品を取り寄せし、実際に店舗で試着してから購入を決定することができる。

オンワードの商品は、一般的な商業施設で販売しているものより、単価が高い場合が多く、買う前に試したいというニーズに対応した。顧客の買物範囲にブランドの店舗がなくても、気になる商品を取り寄せ、試着し、スタッフの接客で検討できるため、昨年11月のトライアルから顧客に好評を得ているサービスだ。

店舗によって需要が違うが、土日に合わせて商品を取り寄せる顧客が多いという。「当初想定していた使い方は、スマホなどでECを家で見て、予約する需要を想像していましたが、実際、予約の半分以上はお店に実際に来店したお客様が、接客を受けて、欲しいもの、試着したいものを取り寄せ、もう1回来店してくださっています。その時に購入しなくても、試着しているので、すぐにECで買えるのも便利に感じてもらえているようです」と前川氏は説明する。

<買い方、商品選ぶのは顧客と前川氏>
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既存ブランドのファンのニーズをくみ取り、いかにつなぎとめるかも同社の課題となっている。そのような中、「ONWARD CROSSET STORE」は受け皿の一つになるという。「お気に入りブランドの店舗がなくなったとき、お客様はECに行かれるのか、そのまま疎遠にならず、他店舗をどのように利用してもらえるか。百貨店がなくなり、ニーズはニッチかもしれませんが、百貨店で購入していたものを商業施設でも買いたいお客様が商業施設の商圏にもいらっしゃいます。名古屋の店舗では、百貨店との買い回りが多いこともわかってきています。百貨店・商業施設と商圏を単純に分けるのではなく、どのようにお客様のニーズに、リアル・デジタル関わらず対応していくか。それが当社のオリジナリティにつながると考えています」と前川氏は意気込む。

顧客がECで買物をすべて済ますのであれば、店舗は不要になる。しかし、店舗での買物の楽しさ、お気に入りのスタッフから買いたいニーズには応えられない。また、オンワードの服を買うことをやめたのであれば、顧客とのタッチポイントが必要になる。今までの戦略であれば、約66m2~99m2(20~30坪の1ブランドのみのショップで販売していたが、「ONWARD CROSSET STORE」という新業態ができたことで、SC商圏に、商品をラック2本~3本から置くことができ、またECをカタログにして、商品を取り寄せる「クリック&トライ」で試着もできる。新たな形態の店舗を持つことで、既存客とのつながりが保てたり、新規顧客が雑貨を店頭で見てたまたま購入したり、といったリアル店舗のメリットが見えてきたという。

>>次ページ オンライン接客など新サービスと既存サービスを融合

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