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「杉玉」運営F&LI/木下社長「アルバイトから社長への道のり」働く仲間を喜ばす

2022年09月29日 10:00 / 流通最前線トップインタビュー

コロナ禍でも営業を継続、杉玉の真価はこれから

<大衆寿司居酒屋の杉玉>
大衆寿司居酒屋の杉玉

――杉玉の現在の完成度は。

木下 コロナ禍もあり、まだ本当に杉玉の真の力を全て発揮している状況ではありません。おかげさまで6月には、ほぼコロナ前と同じような数字まで戻ってきました。ちょっと7月は、コロナ感染の第7波の影響も出ていますが、お客様に支持していただける業態にはなってきた。基本的に最優先なのは、「うまくて、安い」ということです。グループの調達力を生かして、いっぱい食べて、レジで払ったら「安い」と思ってもらえるのが、日常使いしてもらうのに一番大事なところです。それが、杉玉で体現できているかなと思っています。

ここ数十年で、お寿司を体験できるシーンっていろいろ変わってきています。スシローを含めて、日常的にお寿司を食べてもらえる環境にはなってきて、すごく愛していただいている。一方で、町の寿司屋さんは、値段も分からないし、入りにくいという部分もあるかもしれません。でも、杉玉は、気軽に食べてもらえる空間になっているので、回転寿司とは違った体験を提供できる業態になったと思います。現在、繁華街に若者が戻ってきていますが、地域や出店場所によって、お客様のコロナに対する反応は差があります。杉玉の出店に関してはいろんな実験を、いろんなロケーションでやっていますが、お客様が戻りきっていないエリアもあるので、そこをどう戻していくのか考えなければいけないと思います。

――コロナ禍で杉玉はどんな対応をしましたか。

木下 ノンアルコールメニューを提供して、売上を上げることもしましたが、何よりも店を開けるということを重視しました。店を閉めずに、従業員に働いてもらって勢いを止めないことを考えて、できるだけ営業をしました。

――最後に、海外に初出店した香港の店舗の状況を教えてください。

木下 8月3日に香港に海外1号店をオープンしました。事前の予約とオープン前の事前客席発券で、8月9日までのプレオープン期間は15時から21時30分までやっていますけども、ありがたいことに、オープン前に全席、埋まっている状況です。コロナ禍の規制も非常に厳しい中でも、たくさんお客様に来ていただいて、ほぼ9割以上が現地の方だと思います。本当にたくさんお寿司食べていただいています。おいしいかはお客様の判断になるんですけど、安いお手頃価格でお寿司を提供させていただいていますので、これをしっかりと定着させていきたいと思います。

<木下社長>
木下社長

■木下嘉人(きのしたよしひと)氏の略歴
1976年3月24日生まれ(46歳)大阪府出身
1999年4月:アルバイトを3年半経験後、あきんどスシロー入社
2006年4月:同社営業部長
2007年12月:同社取締役人事総務部長
2015年10月:同社取締役執行役員人事総務本部長
2016年1月:スシローグローバルホールディングス(現・FOOD & LIFE COMPANIES)執行役員総務部担当
2017年12月:同社取締役常務執行役員総務部担当
2017年12月:あきんどスシロー取締役常務執行役員
2018年10月:スシローグローバルホールディングス取締役常務執行役員総務・人事・品質管理管掌
2019年10月:同社取締役常務執行役員社長補佐兼経営企画・品質管理管掌
2019年10月:スシロークリエイティブダイニング(現・FOOD & LIFE INNOVATIONS)取締役
2019年12月:同社代表取締役社長(現任)
2021年1月:スシローグローバルホールディングス常務執行役員社長補佐兼品質管理管掌
2021年4月:FOOD & LIFE COMPANIES常務執行役員新規事業開発管掌(現任)

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