サッポロ/最小ロット中びん20本、消費者とビールを共同開発
2018年10月22日 16:25 / 商品
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サッポロビールは10月22日、CtoCコミュニティを活用し、ユーザーとの共創による商品開発を目指した新サービス「HOPPIN’GARAGE(ホッピンガレージ)」をスタートした。
同サービスは、一般消費者から募ったアイデアをもとに極小ロット(最小ロット中びん20本から)でビールをつくり、そのビールを楽しむイベントを開催。
作ったビールについては、コミュニティ内のユーザー評価や市場性を踏まえ、実際に商品化することまでを最終目的としている。
スペックではなく、商品にまつわるストーリーを重視することで、商品の世界観を実現する新しい開発手法を取り入れ、新商品開発や既存商品のブラッシュアップにもつなげたい考えだ。
同日行われたサービス発表会で、林直樹取締役は「現代は、新商品を開発してメーカー主導のキャンペーンを実施すれば、売り上げをあげられる時代ではない。売れる商品には、消費者との共感、コミュニティ内での伝播といったことが欠かせない」。
「斬新なアイディアをコミュニティに参加している消費者から募集し、開発、イベントを実施する。商品のバックグラウンド、ストーリーを共有してもらい、作り手、売り手、飲み手の垣根のない商品開発にチャレンジする。まずは、来年から毎月新しいビールを楽しむイベントを行い、本格的な商品開発、アパレルや雑貨も含めたライフスタイル提案も目指す」と説明した。
サービスの利用方法は、自分が飲みたいビールの企画アイデアをHOPPIN’ GARAGEサイト上で応募する。
審査を経てアイデアが採用されると、ブリュワーとの開発ミーティングを実施する。約2か月後、企画したビールが完成する。
HOPPIN’ GARAGEコミュニティ上でイベントを立ち上げ、参加した仲間と乾杯してシェアすることで、完成したビールを楽しみながら飲むライフスタイルを提案する。
第1回の応募の締め切りは11月10日。今後毎月応募し、来年1月から毎月新しいビールの開発、イベントの開催を予定している。
コミュニティ運営は、「CtoC」「シェア」「リアル体験」といった消費者行動の潮流を踏まえ、食コミュニティ運営で成長中のスタートアップ企業キッチハイクと業務提携する。
共同で新たにつくるビール好きCtoCコミュニティをベースに、「自分が飲みたい世界にひとつだけのビールをつくり、リアルな場で仲間とシェアできる」体験を提供する。
採用した企画のビールは、焼津工場(静岡県)に多品種小ロット専用の生産設備を設置し、プロジェクトを生産面から支える。
第1号商品として、キッチハイクの山本雅也社長のアイデアによる「探検するハニーエール」を開発した。
山本氏は「ラトビアのリガで飲んだハニーエールを再現した。ビールは味だけでなく、ラベルや開発ストーリーなど世界観込みでもっと楽しめる。ビールを一般人でもアイデアを出せば作れる今回のサービスで、ビールのレシピが作れるようになり、ビールが料理のようになり、コミュニティを作れるようになると考えている」と話した。
スマイルズの遠山正道社長が考案した「グレージュビール(仮)」も開発している。
遠山社長は「ビールなのに、カクテルのようなテイスト。シトラスとモルトの婚姻のような味。明るい居酒屋ではなく、そっとゆっくり飲む嗜好品のようなビールを飲みたいと思い、開発中です」としている。
■HOPPIN’ GARAGE (ホッピンガレージ)
https://www.hoppin-garage.com/
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