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味の素/「ギョーザ」中心に冷凍食品をリニューアル

2024年02月01日 14:52 / 商品

味の素冷凍食品は2月11日、「ギョーザ」を中心に冷凍食品15品のリニューアルを行う。1月31日、メディア向けにリニューアル商品の体験会を開催した。

<餃子をより調理しやすく調整>

同社によると、2023年上期の冷凍食品市場規模は5487億円(前年同期比約7%増)で、冷凍食品市場規模が伸長。時短ニーズを始め、生活者のライフスタイル変化により冷食需要が拡大した。そこで今回のリニューアルでは「ギョーザ」の味を既存品から維持したままフライパンに張り付きにくくなる調整を施し、外食品質を楽しめる「ザ★」シリーズの容量・味わいを全面刷新している。

<寺本社長>

主力商品の餃子について、寺本博之 社長は「コロナ禍を経て冷食の価値が一層見直され、冷食マーケットは活気づいている。中でも餃子は非常に伸びており、新規参入する事業者も多くいて賑やかだが、業界全体が餃子を安価で売ることに若干寄りすぎているのではないかと懸念している。

餃子本来の価値とはどういうものだろうか。下ごしらえを行い顧客の手間を減らし、フライパンでひと手間を加えれば誰にでも仕上げられるという達成感と、綺麗に羽根を付けて完成することこそ、(冷凍)餃子の持つ価値だろう。餃子のトップメーカーとして、これらの価値を提供することで、餃子そのものを見直していただきたい」と語った。

<多田グループ長>

多田裕之介 製品戦略部リテールグループ長は「食品市場が停滞し、人口が減り続ける中で冷食は活性化しており、節約意識高まる中、外食の『ハレ感』を自宅でも楽しめるニーズがあると捉えている。そこで我々の主力製品をどう永久改良していくかを考え、餃子は『もっと手軽に』、ザ★シリーズは『もっと手ごろに』という方針でリニューアルした」と説明する。

なお、餃子のリニューアル自体は以前から定期的に行っていたが、SNSでの「冷凍餃子がフライパンに張り付いてしまう」という投稿をきっかけに急遽、刷新を決定。同様の現象が起きた顧客に向けて、原因調査のために焦げ付きが発生したフライパンの回収を呼びかけたところ、全国から計3520個も集まったという。

剥離性を改善するために、顧客から送られてきた多数のフライパンを使って原因を分析。独自技術を用いて「羽根の素」を改良した結果、従来品よりもフライパンへの張り付きが約26%(「ギョーザ」12個全てが張り付く状態から、1つも張り付かずに綺麗に焼けた割合)も改善された。

<羽根の付きやすさを改善>

リニューアル品体験会で、実際に顧客から集めたフライパンを借用して「ギョーザ」を調理したところ、フライパンが焦げ付かずに羽根つき餃子を作ることができた。調理手順は、フライパンに蓋をして中火で5分焼き、蓋を外した後、同じ火力で3分間焼くだけ。焼けた餃子の上に丸皿をかぶせて、皿を落とさないようにフライパンごとひっくり返せば、綺麗な羽根つき餃子が完成する。

<ギョーザ担当の駒木根氏>

餃子のリニューアルについて、駒木根理花 製品戦略部リテールグループ ギョーザ担当は「羽根ができる素の油の配合割合を調整することで、フライパンに張り付かなくなるよう改善した。味自体に変化はなく、調理性の向上にフォーカスしている。

餃子に限らず、焼売などさまざまなカテゴリーで全体的に冷食の売上が伸びている。その中でも主力の餃子に注力し、ザ★シリーズで価値を伝えながら顧客の購買頻度を伸ばしてきたい。また、餃子だけでは解決できない社会課題にも対応するため、新領域の商品にも挑戦していく」と語った。

<ザ★シリーズは容量など調整>

一方の「ザ★」シリーズは、内容量や出荷価格を調整。「おうちで手軽に外食品質の食事を楽しみたい」という顧客の意識がさらに高まることを考え、「さらに白飯が進む味わい」にリニューアルしたという。

このほか、シニア層で特に伸長している冷食ハンバーグ市場に対応するため「洋食亭ハンバーグ」も刷新。「白チャーハン」や「海老肉焼売」なども食感に改良を加えた。また、食卓の追加品やおつまみ需要に応える「若鶏もも焼き」も新発売する。

取材・執筆 古川勝平

■「冷凍餃子フライパンチャレンジ」プロジェクトサイト
https://www.ffa.ajinomoto.com/enjoy/frypan

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