三陽商会/2026年春夏「スマートクローズ」がテーマ、短い春・長い夏への対応を強化
2025年11月04日 15:01 / 商品
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三陽商会は11月4日、来年の春夏(3~5月商戦)に向けた新商品について説明会を開いた。
夏の長期化を受けて、三陽商会では2024年から春・夏・夏・秋・冬という「五季」で、商品開発や販売計画を行っている。夏を「初夏・盛夏」(5~7月)と「猛暑」(8~9月)の計5カ月とし、これに合わせて春と秋はそれぞれ2カ月に短縮している。春夏でも五季に合わせて商品を展開していく。
加藤郁郎副社長は「2026年春夏は気候変動に適応する『スマートクローズ』をテーマに、『五季』に基づく短い春・長い夏の考え方をさらに強化。春先の気温変動に対応できる軽量アウターや、長く続く夏に向けた機能性と快適さを兼ね備えた商品の開発に注力し、極端な気候変動にも対応できる商品展開と期中での柔軟な対応力を高めていく」と方針を説明。
「スマートクローズ」では3つのポイントを挙げる。1つ目は「春コート・アウターのさらなる進化」。春コート・アウターの生産数は前年比9割に抑えつつ、総生産数の5割強を軽く羽織れる「ショート丈」にする。また、3ウェイなどの「マルチウェイコート」を前年比で4割多く生産する。
「短期決戦となる春に向け、ショート丈、マルチウェイのコート・アウターに注力し、変わりやすい気候や多様なシーンに対応するアウターを提案していく」(加藤副社長)。
ポイントの2つ目は「NEWジャケット・セットアップスタイル」。オフィスのカジュアル化やハイブリットワークの定着を踏まえ、快適さときちんと感を両立したビジネスウェアの提案を強化。
ウィメンズではジレや半袖ジャケットを前年比1割増に拡充し、ウィメンズジャケット全体の約2割を占める構成にしている。
ポイントの3つ目は「中軽衣料の強化」。2025年春夏でも好評だった気温調整しやすいシャツ地やニット素材の羽織アイテムをさらに強化。ジャケットなしでも1枚できちんと見えるトップスや着映えするトップス、それに合わせるボトムスを充実させる。
「デニム・白・シアーなどのトレンド要素と機能性を掛け合わせ、ファッション性の高いアイテム提案を行うことで需要喚起を図っていく」(同)としている。
また、2026年春夏シーズンは引き続き計画生産80%、期中追加生産20%の体制を維持。特にプロパー(定価)販売比率向上を重点課題とし、追加商材の投入時期や価格設定を市場状況に合わせて精査し、セール期も競争力のある商品を戦略的に追加投入することで、売上拡大と利益率向上を目指す。
2026年は創立50周年を迎える自社工場「サンヨーソーイング 福島ファクトリー」の強みを生かし、各ブランドで「福島Made」ジャケット・スーツの訴求を強化する。特にコーポレートブランド「エス エッセンシャルズ」では「福島Made」ジャケットのシリーズ化を進める。「福島ファクトリー」のジャケットは「動きと調和する仕立て」「立体仕立てが生むシルエット」が特徴。
なお、三陽商会の足元の状況については、9月は猛暑の影響で秋物の初動が遅れ、前期比9%減と苦戦。10月に入ってからも苦戦するも、気温低下とともに重衣料が稼働。特に4週目以降はコート・アウターは前年比25%増と大きく伸長した。「1カ月遅れていたコート・アウター商戦が20日過ぎぐらいから一気に本格化し、10月全体でも前年並みまで回復した」(同)という。
11月は、1日からスタートしたメンバーシップ会員を対象としたポイント施策で巻き返しを図る。12月からの厳冬予想に合わせ、売れ筋商品やダウンコート、防寒アイテムの追加投入により、後ろ倒しとなったコート商戦に対応していく。
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