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公取委/アマゾン・ヤフー・楽天「一方的な規約変更」など取引実態調査

2019年04月18日 15:50 / 行政

公正取引委員会は4月17日、デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査について中間報告を発表した。

<調査の一例>
調査の一例
出典:公正取引委員会発表資料

1月から「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査」の一環として、オンラインモール運営事業者の取引実態に関するアンケート調査、アプリストア運営事業者の取引実態に関するアンケート調査、デジタル・プラットフォームサービスの利用者(消費者)に対するアンケート調査を実施していた。

アマゾン、ヤフーショッピング、楽天市場の大手3社のほか、その他のオンラインモールも調査対象とした。

調査によると、規約の変更について尋ねたところ、運営事業者によって「一方的に変更された」との回答が多く、規約の変更の中に「不利益な内容があった」との回答も多かった。

一方的に規約を変更されたとの回答は、楽天市場93.2%、アマゾン72.8%、ヤフーショッピング49.9%、その他のモール44.5%となった。

運営事業者による出店・出品の不承認が行われた場合、その理由について「説明はなかった」という回答が多かった。また、運営事業者の説明に「納得できなかった」との回答も多かった。

説明はなかったとの回答は、ヤフーショッピング85.7%、その他モール85.7%、楽天市場70.0%、アマゾン64.0%だった。

利用事業者が運営事業者に支払う利用料について、「一方的に決定された」との回答が多かった。

一方的に決定されたとの回答は、楽天市場91.0%、アマゾン80.7%、その他モール74.4%、ヤフーショッピング70.1%だった。

公取委では、デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会や透明性・公正性確保等に向けたワーキング・グループを開催しており、4月18日には、取りまとめに向けた議論を行っている。

独占禁止法上は、オンラインモール運営事業者が、オンラインモールを利用せざるを得ない利用事業者に対し、規約の一方的変更による利用料の値上げなどによって、不当な不利益を与えていないか、オンラインモール運営事業者が、運営者と出品者の立場を兼ねる場合に、出店・出品の不承認、オンラインモール運営事業者として収集した消費者の個人情報や販売データの不公平な取扱いなどによって、自ら販売する商品と競合する商品を販売する利用事業者を不当に排除していないかが論点になる。

また、オンラインモール運営事業者が、利用事業者に対し、オンラインモールでの販売価格または品ぞろえを他のオンラインモールと同等又は優位にするよう求めることなどによって、利用事業者の事業活動を不当に拘束していないか、といった点が論点になり得ると考えられる。

競争政策上の観点からは、オンラインモール運営事業者と利用事業者の間における取引条件の透明性が十分に確保されていることが望ましい。

そのため、オンラインモール運営事業者による運用や検索アルゴリズムの不透明さなどといった点についても論点になり得ると考えられる。

公取委は今後、このような観点から、オンラインモール運営事業者側の事情も含め、更なる実態の把握を行い、独占禁止法・競争政策上の考え方の整理を進める方針だ。

デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査について中間報告

■取引実態や利用状況についての情報提供窓口
https://www.jftc.go.jp/cgi-bin/formmail/formmail.cgi?d=digitpf

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