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公取委/「飲食店ポータルサイトの取引実態調査」発表

2020年03月23日行政

公正取引委員会は3月18日、飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査報告書を発表した。

調査によると、飲食店の飲食店ポータルサイトの利用状況では、約63%の飲食店が飲食店ポータルサイトを利用してると発表した。消費者が飲食店サイトを利用する頻度では、約54%の消費者が「必ず」「大体」利用すると回答した。

飲食店のポータルサイトへの認識では、約57%の飲食店が飲食店ポータルサイトの影響力は「非常に大きい」または「大きい」と回答した。取引先変更の可能性では、約30%の加盟店が「不可能」または「困難」と回答した。

飲食店からは、「予約の過半数を特定の飲食店ポータルサイトに頼っており、契約を切ることは不可能」「店舗によっては予約の8割以上を特定の飲食店ポータルサイトに頼っており、飲食店ポータルサイトへの掲載は必須」「新規の来店客のほとんどは飲食店ポータルサイト経由。そのため、飲食店ポータルサイトへの掲載はやめられない」「飲食店ポータルサイトを利用せずに,自力で経営を続けるのは難しい」といった声があった。

一方で、飲食店ポータルサイトからは、「飲食店は、座席を自由に配分できるので、魅力に乏しい飲食店ポータルサイトはたちまち座席を失うという激しい競争にさらされている」といった声があった。

<飲食店ポータルサイトの取引上の地位>
飲食店ポータルサイトの取引上の地位
出典:公取委発表資料(以下同じ)

飲食店ポータルサイトと飲食店などの契約や取引慣行では、「一方的な契約内容の変更」について、約11%の加盟店が、飲食店ポータルサイトから一方的な契約内容の変更を受けたことがあると回答した。

一方的な契約内容の変更を受けた加盟のうち、約69%の加盟店が、一方的な契約内容の変更により、不利益を受けたことがあると回答した。

また、飲食店ポータルサイトの中には、他の飲食店ポータルサイトに掲載しているクーポンなどの割引情報と同等以上の条件によるクーポンなどの割引情報の掲載を飲食店に対して求める同等性条項を契約で規定しているものもある。

約70%の消費者が、飲食店を選ぶ際にクーポンなどの割引情報を参考にすると回答。また、約15%の加盟店が、飲食店ポータルサイトから他のサイトと同等以上の条件の割引情報の掲載を求められたことがあると回答している。

消費者から受け取った個人情報(予約情報)のうち、どういった情報を飲食店に伝えるかは、飲食店ポータルサイトによって異なっている。約13%の加盟店が、飲食店ポータルサイトから情報の提供を十分に受けられていないと回答した。

■ポータルサイト加盟店の約32%が表示順位などに不満や疑問

飲食店ポータルサイトに掲載される情報では、掲載サービスに手数料を設けている飲食店ポータルサイトの多くは、低額な手数料を支払うプランを契約している飲食店よりも、より高額な手数料を支払うプランを契約している飲食店をより上位に表示している。

その上で、同じプランの中で、さまざまな要素と独自のルール(アルゴリズム)を組み合わせることによって、表示順位を決定している。

約89%の消費者が、表示順位の決定方法を知らない飲食店ポータルサイトがあると回答。また、約59%の消費者が、多くても3ページ目までしか閲覧しないと回答している。

約92%の加盟店が、表示順位を上昇させたいと回答。また、約32%の加盟店が、表示順位などについて、不満や疑問を感じると回答している。

<検索結果の表示順位の決定>
検索結果の表示順位の決定

加盟店からは、「表示順位を左右できるのは飲食店ポータルサイトなので、文句も言いづらい」「飲食店ポータルサイトから集客数を増やすには表示順位を上げなければならないと言われると、高額プランを契約せざるを得ない」といった指摘があった。

飲食店ポータルサイトからは、「より高い掲載料を支払っている飲食店がより上位に表示される。下位プランが上位プランよりも上位に表示されることはない」「同一プランでは、座席やポイント利用などの要素で判断している。要素が全て同一の場合は、完全なランダム表示」といった声があった。

■店舗の評価に約32%の加盟店が不満や疑問

飲食店ポータルサイトの中には、投稿された評価を参考に、独自のルール(アルゴリズム)を組み合わせることで、店舗の評価(評点)を算出しているものがある。

消費者の投稿をベースにして算出しているものであれば、投稿された評価を単純に平均して、算出しているものもあれば、飲食店ポータルサイトの独自のルール(アルゴリズム)を組み合わせることで、投稿された評価を参考にして、算出するものもある。

店舗の評価(評点)を掲載している飲食店ポータルサイトは、飲食店が支払う手数料の有無や大きさが店舗の評価(評点)に影響を与えることはないとしている。

<店舗評価の実態>
店舗評価の実態

約83%の消費者が、店舗の評価(評点)を参考にしていると回答。しかし、約91%の消費者が、店舗の評価(評点)の決定方法を知らない飲食店ポータルサイトがあると回答した。

約94%の加盟店が、店舗の評価(評点)を上昇させたいと回答。また、約32%の加盟店が、店舗の評価(評点)などについて不満や疑問を感じると回答した。

飲食店からは、「評点が下落したことによって、店舗情報の閲覧者数が3分の1になり、実際の売上においても、これまでに2億円の損失を被っている。現状のように、レビュアーによって影響力に差をつけること自体はいいとしても、差の付け方が平等ではないのではないかと感じている」「ある店舗について、コメント数も増えたのに、3.0から点数が全く動かないのは不思議である。一方、ある飲食店ポータルサイトから猛烈な営業を受けたため、他の店舗は有料契約をしたところ、すぐに点数が3.5になった。その間、他の店舗については、コメントも変わっていないし、お店の味もある店舗とは全く変わらない」「有料加盟店をやめて無料会員になったら点数が大きく下がった。数年してから再び有料会員になったら点数が戻ったので、何かおかしいのではないかと思っている」との意見があった。

飲食店ポータルサイトからは、「アルゴリズムが算出しており、恣意的な操作は行えない」「不正操作のリスクから、算出方法を全て公開することは難しい」といった声があった。

■約54%の飲食店が口コミの削除・修正を求める

飲食店ポータルサイトの多くは、消費者が自ら飲食店の情報を掲載するとともに、口コミの投稿ができる機能を有している。

約29%の飲食店が、飲食店情報を無断で掲載されることによって不利益を被ったことがあると回答した。具体的な不利益については、約42%が「不適切な情報を掲載された」、約32%が「不当に評点・口コミを付けられた」と回答した。

不利益を被った飲食店のうち、約54%が飲食店ポータルサイトに対して削除・修正を求めたと回答した。削除・修正については、「削除・修正を拒否された」が29%で最多。次いで、「削除・修正ができた」21%、「特段の対応なし(無反応、申請中)」19%、「会員になることを勧められた」5%となった。

<口コミの実態調査>
口コミの実態調査

口コミに対して飲食店からは、「口コミの中には、根拠のないものもあると思う」「8年前の口コミを見た消費者から確認の連絡が来ることもあり、口コミが集客に与える影響は大きいと感じる」「顧客の誤解により生じた不満が口コミにより不特定多数に拡散してしまう」といった意見があった。

飲食店ポータルサイトからは、「独自の基準を設定し削除等の対応を行っているが、投稿者の主観に基づく内容は掲載せざるを得ない」といった声があった。

飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査報告書(概要資料)

飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査報告書(概要)

飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査報告書

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