イオンリテール/150店にインカム6000台導入「働き方改革」推進
2019年01月16日 17:40 / IT・システム
イオンリテールは、150店舗に合計6000台のインカムを導入し、店舗スタッフの働き方改革を推進している。
シアンス・アールが独自開発したインカム「Aldio」を採用したもので、従業員のコミュニケーションをリアルタイム化した。
Aldioは、現場が変わるというコンセプトのもと、音声でのリアルタイムな情報共有ができる、スマホIP無線サービス。
航空、鉄道をはじめとし、建設、流通店舗などの業務コミュニケーション基盤として、屋内外問わず24時間365日稼働しており、同時に数千人への一斉連絡を行う大規模ユーザーや、秒単位の細かい指示が必要などの現場で活用されている。
イオンリテールでは昨年、店舗や事業会社を中心にスマートフォンを約2万台導入し、デジタリゼーション化の第1歩を踏み出した。
スマートフォンを利用して、同社が推し進める「従業員の働き方改革」を実現するため、2016年~2017年従業員が負担に感じている作業や時間等を調査し、その課題に応じたアプリケーションの検証を繰り返し実施した。
その中から、「Aldio(インカム)を利用したコミュニケーション改革の実現」が、最も即効性があるとの検証結果を確認した。
2018年にAldioの導入を開始し、限られた人員を有効活用するために、問い合わせや連絡事項はAldioを通して発信した。
その結果、「人・物・場所」を探すムダな時間を徹底的に排除、半分以下に削減した。これにより、本来必要な接客対応・サービスを根本的に見直すことが可能になった。
店舗の従業員からは、「お客さまからの問い合わせにスマートに対応できるようになった」、「店内で起こっている事象(レジ混雑や事件事故など)が分かりやすくなった」など、想定以上の効果を体感しているとの声が挙がっている。
お客からのさまざまな問い合わせに、全員ですぐに対応できるようになったため、従業員に安心が広がっているという。
ストアオペレーション部の竹内哲平氏は、「従業員の働き方改革を実現しようと思う。昨年、2万台スマートフォンを導入して店舗のデジタルゼーション化の第一歩を踏み出した。お店ではいま、人が居ないということで、Aldioを入れてカバーしていこうと考えている。効果として、移動する時間、人を探す時間、商品を探す時間がすべて半分になっている」と述べている。
レジで応援依頼をする時、商品の値段が分からない時も、すぐに担当者を呼び出して対応できる。インカムを通じて、直接、担当者に問い合わせができるため、迅速な接客ができるようになったという。
今後は、導入店舗数・利用対象者の拡大を検討するほか、シアンス・アールが国内特許取得済のAldioの「パラレル翻訳」機能の活用を検討している。
国籍が異なる従業員間のリアルタイムのコミュニケーションや、外国人客の対応手段としての活用も想定している。
Aldioは、スマホにアプリをインストールするだけで利用でき、au、ドコモ、ソフトバンク、全キャリアのAndroid/iPhone/タブレットに対応する。
スピーカーマイクなどの周辺機器と連携、ハンズフリーでスマートフォンに触れることなく通話できる。
現在、従来の音声のコミュニケーションを変える機能を開発中だという。
■問い合わせ
シアンス・アール
TEL:03-5846-9670
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