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モバイル決済/約20%の生活者が利用、きっかけはキャンペーン

2019年06月24日 15:40 / IT・システム

博報堂は6月20日、モバイル決済に関する生活者調査を発表した。

調査によると、1カ月以内にモバイル決済サービスを利用したと答えた生活者は20.0%にのぼり、調査対象者である20~69歳男女のおよそ5人に1人がモバイル決済サービスを利用している状況が明らかになった。

<モバイル決済の利用状況>
モバイル決済の利用状況
出典:博報堂プレスリリース(以下同じ)

モバイル決済サービスを利用しはじめたきっかけは、「キャンペーンをやっていたから」(34.2%)、「ポイントやマイルが貯まりやすいから」(30.1%)、「特典が受けられるから(割引・キャッシュバックなど)」(23.9%)が上位となった。

<モバイル決済を利用したきっかけ>
モバイル決済を利用したきっかけ

今回、多くの事業者による新たなサービスの発表や大型キャンペーンの実施に伴い、生活者の中でも急速に存在感が高まっている「モバイル決済サービス(携帯電話を接触させたり、コードを表示したりして決済を行うサービス)」をテーマに、2万人を対象にモバイル決済サービスに対する意識・利用実態について調査した。

サービス種別でみると、QRコード決済(9.0%)、キャリア決済(7.5%)、スマホ等に設定したクレジットカード(4.9%)の順で利用率が高くなっていることが分かった。

市場の中では後発組のQRコード決済がモバイル決済市場に大きな変化をもたらしていることが推察された。

モバイル決済サービス利用者の男女比を見ると、男性が55.6%で全体よりもやや男性比率が高かった。

年代別に見ると、男性40代(14.3%)、男性30代(13.7%)、女性30代(11.6%)の順に構成比が高くなった。

<利用者の性年代別>
利用者の性年代別

世帯年収では、400~600万円未満の構成比が最も高く19.9%を占めるものの、全体と比較すると600万円以上の比率が高くなった。

<利用者の世帯年収別>
利用者の世帯年収別

1カ月以内のモバイル決済利用率は、首都圏で21.8%、首都圏以外で19.3%と、首都圏の方がやや高いものの、首都圏以外でもモバイル決済が浸透しつつある状況が明らかになった。

一方、「スマホ等に設定した交通系ICカード」の利用率は首都圏(8.1%)と首都圏以外(2.8%)で約5.3ポイントの差があり、利用されているサービスに違いがあった。

モバイル決済サービスを利用していない層の利用意向率は、首都圏で12.0%、首都圏以外で12.2%と、利用率と同様、大きなエリア差はなく、今後も全国的にモバイル決済サービスの普及が進むと考えられる。

モバイル決済サービスの利用頻度では、1日に1回以上利用する層が18.6%、平均すると週3.3回程度利用されていた。

エリア別に比較すると、首都圏では平均週4.5回程度利用されているのに対し、首都圏以外では週2.8回程度となっており、首都圏の方が利用頻度が高い。

<モバイル決済の利用頻度>
モバイル決済の利用頻度

モバイル決済サービスの利用理由としては、「支払いが簡単にできるから」(59.9%)、「レジでの決済が早く済むから」(55.9%)と、「決済の簡便化」に関する項目が上位を占めた。

「現金を持ち歩かなくてもよいから」(44.9%)、「小銭やポイントカードなど、財布の中身を減らせるから」(38.3%)、「よく利用する店舗で利用できるから」(30.9%)など、普段の買い物に現金を持ち歩かず、極力財布の中身も減らしたいという「ミニマムウォレット化」に関する項目も上位に上がった。

エリア別に見ると、首都圏が「オートチャージだから」(16.8%)と首都圏以外と比較し約7.4ポイント高いなど、傾向差があることが見えてきた。

その要因として、モバイル決済サービスの利用状況における首都圏の「スマホ等に設定した交通系ICカード」の利用率(8.1%)の高さ(首都圏以外=2.8%より約5.3ポイント差)が考えられる。

<モバイル決済を利用する理由>
モバイル決済を利用する理由

モバイル決済サービスを利用する際の決済額について、PSM分析(商品・サービスの適正価格帯を算出する分析手法)を実施したところ、安すぎず、高すぎない最も受け入れられやすい理想価格は1413円、高すぎると感じずに利用できる上限価格は9942円、安すぎて利用しづらい下限価格は、111円であることが分かった。

<モバイル決済の決裁額についてのPSM分析>
モバイル決済の決裁額についてのPSM分析

大きく変化している金融サービスの生活者への浸透と、金融サービス提供者の競争力を高めるために設立された博報堂グループの専門プロジェクト「博報堂金融マーケティングプロジェクト」が調査を実施したもの。

20~69歳の男女を対象に、インターネットパネルを利用した定量調査を実施。2月28日~3月4日にスクリーニング調査、3月1日~2日に本調査を行った。

スクリーニング調査は2万サンプル、本調査は3120サンプルを調査した。

プロジェクトでは、将来的には財布を持ち歩かなくて済む「ウォレットレス化」なども含め、決済前後の利便性向上に資するサービスをどのように提供するかが「モバイル決済サービス」普及のカギになる可能性があると考えているという。

■モバイル決済に関する生活者調査
https://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/58451

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