イオン×日立/イオンモール幕張新都心にAI商品検索「お買い物ナビ」
2019年11月11日 17:10 / IT・システム
日立製作所は11月11日、イオンモールと「お買い物ナビ」の実証実験をイオンモール幕張新都心(千葉県千葉市)で開始したと発表した。
「お買い物ナビ」は、店舗横断型商品検索システム。館内1カ所で目的の商品を探索したい、その場で商品を比較したいという要望を解決するため、モール内専門店の商品を店舗横断で検索し、商品と店舗を案内するもの。
複数の店舗が集まるショッピングモール向けに、入居店舗の取扱い商品情報を自動収集し、店舗横断で商品を一括検索できるシステムを採用した。
各店舗が独自に運営するECサイトから商品の画像・概要・価格などの各種情報を自動収集し、ショッピングモールの商品データベースを構築。モール内に設置された端末からデータベースに蓄積された商品を検索できる。
これにより、実店舗がショッピングモール専用の商品データベースを構築・管理することなく、お客はモール内の端末でキーワードを入力するのみで、ショッピングモール内での商品の一括検索を行うことが可能となる。
また、同システムには、日立が開発した高速類似画像検索技術「EnraEnra(エンラエンラ)」を搭載。検索した商品、スマートフォンに保存された画像に似た商品(形や色など)を検索して一覧表示することができ、類似商品の比較検討が行える。
さらに、購入したい商品の販売店舗の場所を表示することや、おすすめ商品、タイムセール情報を告知する機能も搭載した。
11月1日から12月26日靴・鞄を対象とした同システムの実証実験をイオンモール幕張新都心で、11月20日から12月26日アパレル商品を対象とした実証実験をイオンレイクタウン(埼玉県越谷市)で実施していく。
イオンモールでは、利用状況などに鑑み、今後、同システムの本格導入と他モールへの展開を目指す。
日立の産業・流通ビジネスユニットの貫井清一郎執行役常務は、「もともと空港のセキュリティなどで利用されていた画像解析、AIの技術を流通分野に応用した。各社のECから画像を集め、検索に利用されそうな色、形、性別などの属性をタグ化し、AIに学習させ、要望に合った検索につなげている」と説明した。
近年、国内の小売業では、大規模なECモールの出現などによって消費者の購買方法が多様化する一方、生産年齢人口の減少に伴う人手不足が顕在化している。
実店舗では、先進のデジタル技術を活用し、人手をかけずに消費者の購買意欲に即座に応える効率的な店舗運営が求められている。
イオンモールでは、昨年4月にデジタル推進部を立ち上げ、来店客の「ストレス軽減」、「モールのコンビニエンス化」、「情報発信力」強化、「インバウンド対応」、「ES向上」に繋がる省人化・省力化を図っている。
新たなデジタル技術を駆使して快適に過ごせ、かつ利用しやすいショッピングモールをめざすイオンモールと、日立は、2018年8月から両社の知見・ノウハウを融合した協創を開始した。
両社で、日立の協創アプローチ「NEXPERIENCE」を用いてスマートモール実現に向けたアイデア出しを重ねて課題とコンセプトを整理。それを踏まえてシステム構築を進め、イオンモールの2店舗で実証実験を行うこととなった。
■問い合わせ先
日立製作所 産業・流通ビジネスユニット
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