渋谷パルコ/実店舗とEC融合、AIアシスタントロボなどデジタル強化
2019年11月20日 17:20 / IT・システム
パルコは11月22日リニューアルオープンする「渋谷パルコ」に、オフラインとオンラインが融合したオムニチャネルショップ「PARCO CUBE(パルコ キューブ)」など様々なデジタル施策を導入する。
11月19日行われたマスコミ向け内覧会で、牧山浩三社長は、「渋谷パルコは、ファッション、アート、エンターテインメント、フード、テクノロジーを核に刷新。店舗スタッフには接客に専念してもらえ、お客にはストレスフリーに買物できるデジタル施策を導入した。AI活用、VRなど空間を楽しむ仕掛けもしている」と説明した。
5階の「パルコ キューブ」では、出店する11店舗は従来約66m2の売場を半分の面積で展開。店頭の実在庫は戦略商品に絞り込み、その他の商品はECで販売するという、オフラインとオンラインが融合した売場となっている。
テナント自社ECとパルコEC(PARCO ONLINESTORE)をデータ連携させ、テナント自社EC在庫をパルコECから販売。お客は、エスカレーターサイドに配置する大型サイネージ(縦型75インチモニター4台)、ショップ内に配置するサイネージ・タブレット端末で操作できる。
EC在庫をストレスなく検索できるシステムにより、店頭・ECの両方の豊富な在庫から商品を選んで、自身のスマートフォンでも購買可能となっている。
CUBE内一部店舗には、試着時に自分の後ろ姿を見られる「CUBE MIRROR」を設置。カメラで撮影した映像を数秒遅れで表示することで、確認しづらい後ろ姿のスタイリングをチェックできる鏡(ディスプレイ)を採用した。
また、日本語・英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語・タイ語に対応した、音声とディスプレイによる店頭インフォメーションシステムを導入。音声による質問に対して、AIを活用して音声を認識・翻訳し、答える内容をディスプレイに表示する。
12月から自走式ロボット「temi」を導入し、離れた場所で操作しているインフォメーションスタッフが「temi」を通じて、問合せに答える実証実験を行う。パルコが参画している、経済産業省などが運営するロボット実装モデル構築推進タスクフォースの一環として実施するもの。
「temi」には、スマートスピーカーと同様の、対話型・音声操作に対応したAIアシスタント機能が実装されており、「自らがあたかもそこにいるように」、自宅や職場を自由に移動したり、そこにいる人との会話を行うことができるという。
さらに、コンピューターで制作した3Dクエイティブコンテンツを、スマートフォンやAR対応グラスを通して、あたかもその場に存在するかのように展示するバーチャルショーケースを導入。昨年開催したVRコンテンツアワード「NEWVIEW AWARDS 2018」でパルコ賞を受賞したVR空間デザイナーDiscont氏によるデジタルインスタレーション作品を5階吹き抜けに常設展示する。
5階に出店する「calif」と、グラフックアーティストの「ステレオテニス」氏のコラボコンテンツも登場。壁面に展示されたアートワークの中央に配置されたARマーカーをスキャンすると、絵の中のオブジェクトが壁を飛び出して空間を埋め尽くすバーチャルフォトスポットが出現する。
また、キャッシュレス決済では、コード決済「Alipay」「WeChat Pay」「Origami Pay」「PayPay」「LINE Pay」「メルペイ」「楽天ペイ(アプリ決済)」「au PAY」「d払いR(2019年12月導入予定)」となっている。
導入に際しては、コード決済ゲートウェイサービスを活用し、ショップでは一つのアプリですべてのコードを読取り、ゲートウェイ側で決済ブランドを判別するので、オペレーションが簡素化できるという。
ハウスカードであるPARCOカードの新規申込み時には、スマートフォンアプリ「POCKET PARCO」のPARCOポイントマイページ内で、QRコード決済「ポケパル払い」が、申込み当日から利用可能。利用金額・ランクに応じて、PARCOポイントが貯まる。
■渋谷パルコ
https://shibuya.parco.jp/
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