キリン/飲食店に「セルフオーダー&ペイ」導入CRM具体化

2019年12月09日 17:40 / IT・システム

キリンホールディングスは12月9日、次世代型飲食店サービス「セルフオーダー&ペイ」を導入し、注文データを活用したCRM(Customer Relationship Management)施策に取り組むと発表した。

キリンビールの100%子会社で飲食店を展開するキリンシティが12月11日、東京・恵比寿にオープンする新業態「クラフトマルシェ 恵比寿店 by Kirin City」に、スマートフォンを活用した新サービス「セルフオーダー&ペイ」を導入する。

<セルフオーダー&ペイの概要>
セルフオーダー&ペイの概要
出典:キリンホールディングス報道発表資料(以下同じ)

セルフオーダー&ペイは、注文から会計までのすべてがお客の手のひらのスマホで完結する新サービス。来店し、注文し、飲食、再注文、会計、退店といった一連の流れをスマホで完結する。

今回は、オーダーシステムを提供するOkageが提供するモバイルオーダーシステムとLINEプラットフォームを連携することで、LINEのプラットフォームを活用した運用を可能にした。

来店すると、店内でワンタイムパスワードが発行されるQRコードを読み取り、クラフトマルシェアカウントを友達追加する。

注文用URLをタップすると、LINE上でメニュー画面を表示でき、LINE上で注文ができる。注文するメニューが決まったら、カートにメニューを投入すると注文が完了する。

全ての飲食が終了した時点で、会計する。会計は、LINE Pay、現金・クレジットのいずれかの決済に対応する。

退店後もLINEでお得な情報を配信することで、お客との関係づくりができるのが特徴となっている。

<モバイルオーダーとLINEが連携>
モバイルオーダーとLINEが連携

キリンHDデジタルマーケティング部の合原康成主幹は、「新しいデジタル技術を使うことで、飲食店におけるお客のストレスや課題を解決する。これまでは、新規顧客の獲得施策として、割引クーポンの配信などをしていたが、継続的に顧客につながり続けることができなかった。ラインのサービスを活用することで、1人1人にあった最適な情報を発信していきたい」と語る。

これまでの飲食店では、メニューを見て注文するタイミングが、店舗のホールスタッフが回ってくるタイミングであったり、追加注文をしたくてもなかなかホールスタッフが捕まらないといった課題があった。

いくら頼んだのか途中経過が分からない、クラフトビールは銘柄が多くて以前飲んだおいしかった銘柄を思い出せないといったお客の声もあったという。

<飲食店における課題>
飲食店における課題

モバイルオーダーシステムは、お客の注文をダイレクトにクラウド上のサーバーに飛ばして管理する仕組みで、注文と顧客IDが紐づけされているため、注文を受けて、リアルタイムに、そのお客にあったリコメンドをすることができる。

Okageの内田善久代表取締役CEOは、「ECサイトであれば、顧客情報と注文履歴は紐づけられているのが不通だが、飲食ではそういった情報はなかった。クラウド型サーバーがダイレクトのPOSデータを持つことで、リアルタイムでのリコメンドができる」

「従来のeコマースの効率性に、おもてなしや娯楽の要素を加え、シニアや外国人も含めて誰でも簡単に使うことができる、オーダーとエンターテイメントを融合した『オーダーテイメント』の世界を実現する」と語る。

<コミュニケーションの具体例>
コミュニケーションの具体例

コミュニケーションの施策では、「誕生日のお祝い」「季節メニューのお知らせ」「友達紹介割引」「おすすめビール」などの情報を提供する。

例えば、来店回数が数回の30代男性会社員には、「前回、Aというクラフトビールを飲んだ方へ。このビールの特徴はこんな感じで、他にもBというおすすめビールがある。Bというビールは、こんな料理との相性がよいので、次回、来店に使えるクーポンを配信するので、是非、ペアリングを楽しんで欲しい」といった情報を配信する。

また、来店回数が1回の20代女性大学生には、「〇月生まれの方へ、誕生日おめでとうございます。〇月生まれの誕生日の方、限定でクーポンを進呈するので、是非、お店に来てください」といったライトな情報を提供する。

<合原主幹>
合原主幹

合原主幹は、「まず、クラフトマルシェで快適な飲食体験を提供し、お客様とのコミュニケーションを創出する。そして、この取り組みで得られる知見を通じて、クラフトビールを飲むお客様の理解を深めたい。また、セルフオーダー、キャッシュレス、顧客対応に課題・関心がある取引先の外食企業の相談に解決策を示すことで、取引先から選ばれるキリンビールとなるための知見を蓄積」したいと語る。

<内田社長CEO>
内田社長CEO

内田社長CEOは、「飲食店では慢性的な人手不足が課題となっている。店内モバイルオーダーを導入することで、注文を取る手間が省け、ホールスタッフ人件費が50%削減できた企業もある。セルフオーダーは、お客が好きなタイミングですぐに注文できるため、客数、客単価が上昇する効果もある。『人間とテクノロジーを融合させたおもてなしの新時代』が現実化している。2020年は、モバイルオーダー元年といっていい年になるだろう」と語った。

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