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Retail AI/「スマートショッピングカート」にスキャン漏れ防止・AIレコメンド追加

2021年06月10日 16:20 / IT・システム

トライアルホールディングスのグループ会社Retail AI(リテールAI)は6月10日、セルフレジ機能を搭載したショッピングカート「スマートショッピングカート」の新モデルを発表した。

<新モデルの「小型タイプ」(左)と「中型タイプ」>

発表したのは第3世代モデル。新モデルは「小型タイプ」と「中型タイプ」で展開する。小型タイプは地方や都市型スーパーなど、中型タイプは大型のショッピングセンターなどでの利用を想定している。

利用者がプリペイドカードで、システムにログインし、商品をスキャンして自身で決済を行う従来の機能はそのままに、「商品のスキャン漏れ時に知らせる自動検知アラーム機能」、「完全AI化したレコメンド機能」を新たに搭載した。

<商品のスキャン漏れを知らせる画面>

商品のスキャン漏れ機能は、購入した商品をカートのスキャナーに読み込ませないと、アラーム画面で知らせる。機能によって、利用者が精算を忘れるのを防ぐとともに、店舗では代金の未回収を防止する。

<「レコメンド機能」の画面>

レコメンド機能では、270億件のID-POSデータを基にAIが分析し、購入傾向から顧客に最適な商品を買物中にリアルタイムで勧める。顧客は、店舗にある自分好みの商品を知ることができる一方、店舗は購入点数の増加につなげる。ID-POSはトライアルが展開する店舗から収集したデータを使用。AIはリテールAIが独自に開発した。

また、高齢者などが使いやすいようにカートの軽量化も図った。従来モデルで使用していた鉄のフレームなどを見直し、重量をタイプによって20~30%程度を削減した。

リテールAIでは、新モデルをサブスクリプション(定額課金)形式で、小売店などに提供する。サブスクにすることで、店舗での導入しやすさをアピールする。料金は未定で、詳細は今後詰める。

<「スマートショッピングカート」の購入デモの様子>

「スマートショッピングカート」は、6月現在で、トライアルの店舗、リテールパートナーズ傘下の丸久の計全国38店舗3640台が導入されており、月間で50歳以上の人を中心に65万人が利用している。導入店舗では顧客の来店頻度が従来よりも13.8%向上しており、顧客が自身で決済することでレジの人件費も20%削減できているという。

今後は8月をめどにトライアルの店舗でテスト導入を行い、国内企業での本格導入を開始する。導入企業は地方のスーパーなどを見込んでいる。2022年以降は海外市場への進出も視野に入れており、日常的にカートを使って買物をすることが一般的な、欧米や中国のスーパーなどでの展開を計画している。

<リテールAIの田中晃弘・執行役員COO>

Retail AIの田中晃弘・執行役員COOは「コロナ禍で非接触での買物ができるスマートショッピングカートは、導入した企業のお客さんから大きく支持されている。利用者数の規模はもちろん、利用率も導入店舗では41.2%に上っているのがその証拠で、この分野ではリーダーのポジションにあると思っている。新モデルではこれをさらに伸ばしていく。今回、サブスクにすることで初期導入のハードルを徹底的に下げており、コストの面では自信がある。小売店にどんどん入れてもらいたい」と抱負を述べた。

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