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日立/低コストで導入可能な小型無人店舗、広告・マーケティング分析にも貢献

2022年03月03日 16:20 / IT・システム

日立製作所は2022年度内の事業化を目指し、小型無人店舗「CO-URIBA(コウリバ)」の実証実験を開始した。

<小型無人店舗「CO-URIBA」>
小型無人店舗「CO-URIBA」

現在、グリコチャネルクリエイトの協力のもと、同社の「オフィスグリコ」を活用し、「CO-URIBA」の実証を、日立グループの事業所内で行っている。

「CO-URIBA」の利用者は、生体情報とクレジットカード情報をあらかじめ登録しておくことで、利用時に生体情報で本人認証できる。商品を手に取り、店舗エリアから離れるだけで自動精算する。

入口に置いたAIインタラクティブディスプレイは、マスクを着けたままの顔認証にも対応し、スマートフォンやクレジットカード、現金などを持たずに手ぶらで買物できる。決済には、生体情報の悪用を防ぐ日立独自の特許技術「PBI」を活用している。

<天井に設置したセンサーで手伸ばし検知>
天井に設置したセンサーで手伸ばし検知

商品棚の四隅に取り付けられた重量センサーにより、ガムなどの小型・軽量の商品も認識できる。天井に設置した3Dセンサーは手伸ばし検知用で、一度手に取った商品を棚に戻した場合でもキャンセルと判別する。また、重量センサーとの組み合わせで、商品棚の前に複数の買物客がいても、誰が何を購入したのかを正しく判別する。

センサーの検知範囲は約10m2、2~3m幅の棚、商品は20~30種類に対応できる。

<手ぶらで買物できる>
手ぶらで買物できる

「CO-URIBA」を活用することで、購買状況をタイムリーに把握し、在庫管理の最適化、売れ筋商品の迅速な補充が可能となる。

また、利用者の好みを収集して商品開発などのマーケティングにも貢献。商品棚の重量センサーと商品棚上部の3Dセンサーから、利用者の行動履歴を収集し、購買データとともに複合的な分析する。購入者の属性、購入商品、時間帯などの情報に加え、商品前でしばらく足を止めた、一度手に取ったものの購入に至らなかったなどの行動履歴を多角的に取得できる。

棚の上部に設置したディスプレーには広告、災害情報など生活者の役に立つ情報を配信することも可能となっている。日立では、同事業はこの広告配信費用とマーケティング活動に向けた生活者の行動情報分析を収益化し、棚やセンサーの導入費用を低コストに抑えることを想定している。

金融システム営業統括本部事業企画本部 Scale by Digital推進室の近藤裕介主任技師は「グループ一気通貫でデータストレージ製品、決済、生体認証を提供できるため、他の無人小型店舗に比べ低コストで提供できるのが強み。まずはオフィスグリコとの連携で実験を開始したが、将来的には化粧品、雑貨など幅広く対応したい。実験を開始した事業所では、社員の福利厚生につながるサービスとして好評を得ている」と述べた。

今後、売上向上につながるマーケティング機能をさらに強化。映像コンテンツをタイムリーに配信できる日立のデジタルサイネージ技術「MediaSpace」を活用。入場時の年齢、性別など認証情報をもとにしたパーソナライズ広告、手に取った商品に応じた広告、カロリー・栄養成分などの関連情報を提供することを予定している。

施設のお知らせ、天気予報などリアルタイムに表示するリコメンド機能、商品の人気投票を調査できるアンケート機能、日立の「IoT決済プラットフォームサービス」を活用したダイナミックプライシング(需要に応じた価格変動)機能の実装などを検討している。企業のオフィス、テナントなど空きスペースの有効活用を検討する事業者の多様なニーズに対応したい考えだ。

<高度なセンサーで利用者の行動を計測>

■問い合わせ先
日立製作所
金融システム営業統括本部
担当:松浦
住所:東京都千代田区丸の内1-6-1
https://www.hitachi.co.jp/products/it/finance/inquiry.html

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