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東急百貨店/日立の小型無人店舗サービス「CO-URIBA」実証実験開始

2022年09月06日 15:20 / IT・システム

東急百貨店と日立製作所は9月15日、東急百貨店本店、渋谷ヒカリエ ShinQs、+Q(プラスク)ビューティー(渋谷スクランブルスクエア ショップ&レストラン6階)の渋谷3店舗で、日立の小型無人店舗サービス「CO-URIBA(コウリバ)」を活用した新たな買い物体験を提供し、店舗間の送客・誘導につなげる実証実験を開始する。

実証実験は、コスメティックフェア期間中の9月15日~9月21日、10月27日~11月9日の2回、渋谷3店舗で実施する。具体的には、対象売り場の化粧品を購入または対象のビューティー・リラクゼーション店舗の利用者を対象に、各店舗のフロア内に設置した無人店舗「CO-URIBA」で、他店舗が取り扱う化粧品ブランドのサンプルや店舗で使えるサービスチケットなどを配布し、顧客の属性・行動データなどに基づき、各店舗への送客・誘導につなげる実証となる。商品棚と天井に設置した高精度なセンサーから、利用者の行動ログといったデータを収集、アンケート結果などと組み合わせて分析し、LINEによる販促やサイネージ広告による誘導といったさまざまなマーケティング施策を展開して、店舗間の送客、相互利用を促進する。

2者は同実証実験を通じて、新たな買い物体験を実現する「CO-URIBA」の有用性や利用者のニーズなどを検証するとともに、従来、店頭では知りえなかった顧客の潜在ニーズや興味関心を発掘し、さらなる顧客体験価値やサービスの向上に向けて、取り組みを進めていく。

<「CO-URIBA」店舗イメージ>

「CO-URIBA」は、センサーを活用した行動ログの取得、データに基づくデジタルサイネージによる誘導、生体認証(実証ではLINEアカウントとの連携で本人確認)などによる本人確認や自動決済まで行う日立の小型無人店舗サービス。今回の実証では各店舗フロア内にこれを設置し、税込4000円以上利用した顧客を対象に、他店舗で取り扱う人気ブランドのサンプル&サービスチケットの中から好きなものを2~3点選んで配布する。

顧客による、サンプル品に手を伸ばす・取るといった行動や、入店時に回答するアンケートの結果に応じて、おすすめ商品・商品を取り扱う売り場などの関連情報を「CO-URIBA」上部にあるサイネージにリアルタイムで表示し、顧客のサンプル&サービスチケット選びを支援する。さらに、商品棚と天井に設置した高精度なセンサーにより、「何を手に取ったか」「何を棚に戻したのか」「最終的に何を選んだか」「どれだけ悩んだのか」といった従来は取得できなかった詳細な行動データを収集する。これらを複合的に分析することで、東急百貨店だけでなくコスメ&ビューティーメーカーにとっても、より新しく高度なマーケティングにつなげることができる。

<東急百貨店 コスメ&ビューティーでの「CO-URIBA」の利用イメージ>

今後の展開として、1回目(9月15日~9月21日)の実証結果をもとに、2回目(10月27日~11月9日)の実証実験では、さらに質の高い顧客体験の提供をめざすほか、収集データを活用したより緻密なマーケティング施策の企画や展開、効果検証も行う予定だ。2社は今後、マーケティング戦略の一つとして、コスメ&ビューティーフロアのほか、さまざまな施設に「CO-URIBA」の展開を検討するとともに、日立独自の特許技術を中核とした生体認証による手ぶらでの入店や、IoT決済プラットフォームサービスを活用したセンサー情報による自動決済機能など、日立の各種ソリューションと組み合わせて引き続き実証を進めていく。

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