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ホットパレット/八重洲地下街に「ペッパーランチ」の新型省人化店舗

2022年06月20日 16:00 / 店舗レポート

ペッパーランチを運営するホットパレットは6月21日、東京駅直結の商業施設「八重洲地下街」に、新型モデル店舗「ペッパーランチ 八重洲地下街店」をオープンする。厨房の小型化と省人化を実現した店舗で20日、関係者向け内覧会を開催した。

<ペッパーランチ 八重洲地下街店の看板>
ペッパーランチ 八重洲地下街店の看板

ホットパレットの松本純男社長は、「コロナ禍により、外食がリスクとなり、外食は日常ではなくなった。規制や行動制限がある中で、1回の外食が貴重なものとなっている。外食は日々の生活の中で、『自分と、大切な人との』より大切で貴重な時間になっている。そこで、店舗には、より快適な環境が求められている。また、当社は2022年の出店施策として、従来のフードコート中心から駅ビル、駅ナカ、駅近の路面店、ロードサイドへ出店立地を拡大する計画だ。多様な立地に対応しつつ、人件費の高騰や人材の定着の問題を解決し、かつ、快適な客席を実現するために、新型モデル店舗を開発した」と語る。

<松本社長>
松本社長

これまでは、フードコート中心に出店してきたため、客席はフードコートであり、自社で客席を設計する必要はなかった。一方で、駅前・駅ナカの狭小物件に出店する場合は、不規則なレイアウトで、厨房と客席の配置が難しい課題がある。また、フードコートでは、客席での接客はなかったが、単独店舗では、注文を受け、商品を届け、客席をかたすといった接客が必要で、トレーニング時間が増加する。さらに、オフィス街などの人材確保が難しいエリアでの採用コストの増加、採用した人員が、業務の多様化で離職してしまうといった課題もあったという。

<新型店舗のレイアウト>

新型店舗では、フードコート出店で蓄積したノウハウを活用し、セルフサービス化を実行。また、厨房面積を従来の60%まで縮小した一方で、客席面積を拡大することで、客間スペースを既存店比で20%増加させ、隣のお客を気にせず食事ができる環境を実現した。

<ゆったりとしたスペースを確保した客席>
ゆったりとしたスペースを確保した客席

店舗入口に、キヨスク端末を導入し、お客自身がゆっくりと大型のサイネージでメニューを見て楽しみながら注文できる工夫をした。また、現金のほかキャッシュレス決済も導入したことで、メニューの受注を完全無人化した。

<店舗入口にキヨスク端末を導入>
店舗入口にキヨスク端末を導入

キヨスク端末で注文すると、決済完了前の決済画面になった時点で、厨房に注文が入り調理が開始される。調理時間は2~3分で、お客はできあがった商品を自分自身で受け取り、客席に運ぶ。また、食べ終わった後は、自分自身で皿を返却口に返却する仕組みを確立した。新型モデル店舗では、通常8人程度必要な従業員が5人程度に削減できる。基本的には、厨房3人、客席2人の5人で店舗運営する予定だ。

<厨房ですばやく調理する>

看板商品のビーフペッパーライスは、注文率50%の商品で、来店客の2人に1人が注文している。300℃に熱した鉄板に、ライスと牛肉をのせ、お客自身が仕上げの調理をするのが特徴で、調理器具がそのままお皿になる特徴があり、オペレーションの簡素化にも寄与している。

<看板商品のビーフペッパーライス>

ビールサーバーには、キリンビールが新たに開発した新型業務用ビールサーバー「TAPPY(タッピー)」を採用した。従来型の樽生ビールよりも小型で、持ち運びしやすい3Lペットボトルのビールを活用したビールサーバーで、店舗従業員の作業負担を軽減する。

<新型ビールサーバーTAPPYを採用>
新型ビールサーバーTAPPYを採用

厨房は、給湯器以外はオール電化を採用し、電磁調理器を使用することで、調理担当者の違いにより焼きムラなどの差をなくし、メニューの品質安定化を図っている。

<電磁調理器を設置>
電磁調理器を設置

また、閉店後の厨房の清掃に伴う調理かすや油かすを集める、グリスシールド・ポンプ排水システムを導入したことで、厨房の床清掃や日々の油清掃を大幅に軽減した。

<グリスシールド・ポンプ排水システム>
グリスシールド・ポンプ排水システム

店舗は、人通りの多い東京駅という立地に合わせて、開放感があり誰でも入店しやすい設計、木目調で落ち着いた雰囲気のある新デザインを採用した。新型店舗では、店舗デザインの変更、決済や設備機器の交換・清掃作業などの省力化、⼀部サービスのセルフ化を行うことで、店舗で働く従業員の負担を軽減でき、接客や調理のコア業務に集中できることで、従業員にとっても働きやすい環境を整備した。

<店舗全景>
店舗全景

八重洲地下街店の平均客単価は1200円程度を想定している。通常の駅前店舗は1000円程度だが、アルコールメニューを充実させたことで、ちょい呑み需要の獲得を目指す。月商1000万円、目標年商1億2000万円を計画している。今後は、キヨスク端末と連動したアプリにより、モバイルオーダーの実験導入も計画しており、より利用しやすい店舗を目指す。

<アルコールメニューも拡大>
アルコールメニューも拡大

夏前には、池袋の既存店舗にも、新型モデル店舗のシステムを導入し、既存店への波及効果を検証する。将来的には、全店舗で新型モデル店舗のシステムを導入する計画だ。さらに、郊外ロードサイド型店舗の開発も進め、新型モデル店舗システムに加え、ファミリー向けメニューなどの開発も予定している。

<ペッパーランチは海外にも300店以上展開する>
ペッパーランチは海外にも300店以上展開する

松本社長は、「ペッパーランチは、本当においしいメニューを提供している。この味わいを世界の人々にも味わってもらいたい。新型モデル店舗のシステムを確立し、2025年度までの中期経営計画の目標である、国内400店、海外600店を達成したい」と抱負を述べている。

■ペッパーランチ 八重洲地下街店
所在地:東京都中央区八重洲2-1
八重洲地下街中4号八重洲地下1番通り沿い
電話番号:03-6262-6800
営業時間:11時〜22時(L.O 21時30分)
店舗面積:約62.21m2
客席数:28席

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