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百貨店/11月、コート・高額品・インバウンド好調で全社売上増

2017年12月01日 12:40 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、高島屋、エイチ・ツー・オーリテイリング、そごう・西武は12月1日、11月の売上速報を発表した。コートなど重衣料やインバウンド売上が好調で、各社の売上増に貢献した。

■三越伊勢丹(2017年3月期売上高:1兆2534億円)
国内百貨店売上高は、2.1%増となった。内訳は、三越伊勢丹2.6%増、国内グループ百貨店1.4%増だった。

比較的天候に恵まれ、この時期らしい気温推移だったこともあり、コートを中心とした防寒ニーズが堅調。

また、全国的に化粧品カテゴリーの牽引もあって、国内百貨店の既存店売上は4か月連続、首都圏三越伊勢丹の既存店売上は6か月連続で前年実績を上回った。

基幹店では、引き続き高額品が全体を牽引したことに加え、寒さを意識した気温対応アイテムへの関心が上昇。特にコートは月を通して好調な動きを見せた。前月苦戦した自社カード顧客の売上も回復傾向が見られた。

インバウンド売上は全店ベースで引き続き好調。 売上規模は、勢いのあった2015年の実績を上回るまでに拡大した。

■J.フロントリテイリング(2017年2月期売上高:1兆1085億円)
大丸松坂屋百貨店の売上高は7.2%増、博多大丸、下関大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の売上高は6.9%増となった。

11月度の百貨店事業の売上高は、婦人・紳士服ともにコートを中心に好調に推移したことに加え、化粧品、ラグジュアリーブランド、美術宝飾品も売上を伸ばし、すべてのカテゴリーで前年実績を上回った。

なお大丸松坂屋百貨店合計は9か月連続、百貨店事業合計は8か月連続で前年実績を上回った。また大丸松坂屋百貨店の免税売上高(速報値)は、対前年92%増(客数同67%増、客単価同15%増)となった。

店舗別では、東京店が15か月連続、札幌店が12か月連続、心斎橋店が11か月連続で対前年プラスとなるなど、直営14店舗中と12店舗と博多大丸、高知大丸が前年実績を上回った。11月4日に上野フロンティアタワーを開業させた上野店は、開業効果により入店客数は対前年約7割増、店頭売上は同約2割増となった。

■高島屋(2017年2月期売上高:9236億円)
高島屋単体13店の売上高は3.9%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、米子高島屋、高崎高島屋を含めた17店の売上高は3.8%増となった。

11月度の店頭売上は、免税売上の伸長と株高による資産効果の影響などにより、高額品をはじめ売上が好調に推移した。

また、気温低下もあり、コートをはじめとした重衣料に動きがみられたほか、タカシマヤカシミヤコレクションが前年比2桁増と奏効し、4か月連続で前年実績を上回った。

なお、免税売上は前年比48.2%増となった。

店舗別売上は、大型店ではインバウンド需要が好調な大阪店・京都店やベイスターズセールが開催された横浜店に加え、新宿店が前年を上回った。

地方郊外店では、改装効果により高崎店が好調に推移し、堺店・玉川店・大宮店・柏店・岡山店・岐阜店も前年比プラスだった。

なお、泉北店・立川店・米子店は、前年同月比で売場面積が縮小している。

商品別売上は、リビング(同社分類による17店舗ベース、以下同じ)などが前年を下回ったが、紳士服・ 紳士雑貨・婦人服・婦人雑貨・特選衣料雑貨・宝飾品・子供服ホビー・食料品などが前年比プラスとなった。

■H2O(2017年3月期売上高:9012億円)
百貨店事業の全社計の売上高は、6.9%増となった。内訳は阪急本店12.6%増、阪神本店0.7%増、支店計0.5%増。全店売上高は12か月連続で前年実績を超えた。

全店で婦人ファッションが継続的に好調。特に気温の急激な低下に伴い、コートを中心とした重衣料の動きがさらに活発化した。

服飾雑貨もインバウンドが好調なバッグ・雑貨の動きが目立つ。さらに食料品も気温低下に伴い、鍋商材の動きがいいという。

支店では、博多阪急が開業後初めての大規模な改装を行い、広域からの集客力も高まり、売上が2ケタ増と好調。

インバウンドは、一般品、消耗品ともに好調継続。特に化粧品や高額なジュエリーーや時計が活発な動き(約1.8倍)を見せているという。

阪急本店は、 婦人ファッション全体(21%増)が好調継続。婦人服(11%増)が、中旬以降一気に気温が低下し、コート(22%)などの重衣料(15%増)が好調。

インバウンド中心にハンドバッグ・雑貨(19%増)、化粧品(48%増)、高級ブランド品(23%増)が好調。

食料品(3%増)も気温低下の影響で、鍋商材の動きが良く、生鮮(4%増)が好調。

阪急メンズ大阪もビジネス中心に動き出したコート(14%増)や、ニット、ブルゾンが好調。トレンドアイテムのシューズやバッグも人気。

インバウンドは、化粧品中心の消耗品(約2.4倍)、ジュエリー・時計好調の一般品(約1.7倍)とも好調で、免税売上約1.9倍。

■そごう・西武(2017年2月期売上高:7479億円)
そごう・西武17店の売上高は3.9%増、西武池袋本店は3.9%増となった。

高額品を中心に、堅調に売上推移し、4か月連続での前年越えとなった。高級雑貨、婦人雑貨、ラグジュアリーブランド、食品、紳士スポーツなどが前年を上回った。

高級雑貨は宝飾・美術が高伸。婦人雑貨は化粧品が牽引した。

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