ショッピングセンター/増税前駆け込み反動で9月既存SC売上21.6%減
2020年10月22日 10:00 / 月次
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日本ショッピングセンター協会が10月22日発表した9月のショッピングセンター(SC)販売状況によると、既存SC売上高は前年同月比21.6%減となった。
新型コロナウイルスの影響に加え、前年が消費増税前の駆け込み需要で8.3%増と大幅なプラスだった反動がみられた。テナントは前年同月比21.9%減となったが、前月と比較すると0.8ポイント減と微減だった。
自粛緩和の機運も高まり19日からの4連休で人出が増加したことや、下旬にかけて気温が低下したことで秋物商品にも動きがみられ、中心地域に立地するSCでは回復の傾向がみられた。一方、キーテナントは前年同月比20.4%減となり前月から11.4ポイント減と前年好調だった化粧品、貴金属といった高額商品を取り扱う百貨店、家庭用品・日用品の買い溜めがみられたGMSの反動により大きく落ち込んだ。
立地別・構成別をみると、中心地域・大都市は前年同月比(総合)で33.7%減と全立地の中で最大のマイナスとなったが、自粛緩和の流れを受けて回復の傾向もみられた。
当該地域のテナントは前年同月比32.0%減で前月と比較して1.9ポイント増と全立地・構成のなかで唯一改善している。
また、キーテナントは消費増税の反動が大きく前年同月比44.5%減で前月より7.4ポイント減と悪化したものの、中心地域・中都市の前月比13.1ポイント減、周辺地域の前月比10.8ポイント減と比較して下げ幅は小さかった。
立地別・地域別をみると、中心地域全体では前年同月比30.4%減と前月から0.4ポイント減と僅かに悪化したものの、全9地域のうち、北海道、関東、中国の3地域を除く6地域で前月を上回り全国的に回復の兆しがみられた。
なかでも九州・沖縄は台風の接近で一部のSCが臨時休館となり前年同月比32.5%減となったが、前月との比較では、4連休に実施した販促イベントに気温の低下が重なり秋物商品に動きがみられ、前月大幅に落ち込んだ福岡市内のSCを中心に改善がみられ前月比9.1ポイント増と全9地域の中心地域なかで最も改善している。
都市規模別・地域別をみると、新型コロナウイルス感染者数拡大を受けて前月大幅に落ち込んだ福岡市と名古屋市は前年同月比でそれぞれ31.6%減、29.7%減となったものの、感染者数の減少が消費マインドの改善に繋がり前月比(総合)では、それぞれ9.5ポイント増、7.5ポイント増と他地域・都市と比較して大幅な改善がみられた。
業種別の動向を見ると、イベントの人数制限緩和に伴い販売席数を拡大したシネマが回復傾向をみせた。お彼岸が4連休だったこともあり生花に動きがあった。
一方で、貴金属等の高額商品や化粧品、コンタクトレンズなど、前年に駆け込み需要がみられた商品では反動が大きかったという。
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