大手百貨店/9月売上高三越伊勢丹21.8%増、阪急阪神百貨店26.2%

2023年10月02日 16:21 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は10月2日、9月の売上速報を発表した。

<そごう・西武は食品が堅調に推移>

そごう・西武は食品が堅調に推移

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比21.8%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)17.6%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)26.2%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)11.5%増、そごう・西武10店計3.5%増だった。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 21.8%増
J.フロントリテイリング 17.6%増
H2Oリテイリング 26.2%増
高島屋 11.5%増
そごう・西武 3.5%増

各社の高付加価値商品、インバウンド売上が好調で、業績をけん引した。

■三越伊勢丹HD(2023年3月期売上高:4874億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比24.6%増、三越日本橋本店店頭15.3%増、三越銀座店41.1%増などで、三越伊勢丹計21.8%増だった。

札幌丸井三越7.1%増、仙台三越3.6%減、静岡伊勢丹1.6%減、名古屋三越10.1%増、広島三越2.2%増、高松三越9.1%増など、国内グループ百貨店計は10.7%増となり、国内百貨店計は17.7%増となっている。

両本店を中心に、引き続き高付加価値商品の売上がけん引した。

また、伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、18カ月連続で2018年度を上回る実績で推移をしており、これまで9月単月での売上が過去最高だった2019年9月実績も上回った。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、お得意様向けのイベントや外国展催事の実施により、売上が大きく伸びた。

ラグジュアリーブランド、デザイナーズブランドを中心に秋物軽衣料(カットソーやセーターなど)、ハンドバッグ・宝飾への関心の高さが継続している。

免税売上はラグジュアリーブランドのハンドバッグ・宝飾などが好調で、東京・札幌・福岡の店舗を中心に大きく伸長したことで、8月に引き続き国内百貨店計(既存店)で、コロナ前の2018年同月実績を超えたという。

■J.フロントリテイリング(2023年2月期総額売上高:9987億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比17.4%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は17.6%増だった。

9月度の売上高は、厳しい残暑による秋物の衣料品へのマイナス影響があったものの、ラグジュアリーブランド、化粧品が
引き続き好調に推移した。

旅行用品、アクセサリーも好調に売上を伸ばした。

店舗別では、15店舗中13店舗が前年実績を上回った。訪日外国人売上が好調の心斎橋店は、前年の1.5倍と大幅に増加した。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、対前年372.9%増(客数1699.9%増、客単価73.7%減)となっている。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2023年3月期売上高:6280億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比26.2%増となった。内訳は阪急本店26.0%増、阪神梅田本店58.6%増、支店計16.1%増。

前年は台風により、3連休を中心に関西と福岡の店舗が時短営業や臨時休業を実施した。

その影響の反動に加え、インバウンドも含めて来店客数が順調に推移、都心店各店の売上高が前年に対して2桁の伸びを示している。

中でも両本店と、前年に台風の影響が大きかった博多阪急の売上高前年比が大幅に増加した、

阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝を果たし、阪神百貨店各店では15日からの1週間、祝賀セールを実施。阪神梅田本店では、前年4月の建て替えグランドオープン以降、過去最高となる週間売上と来店客数を更新。月間での売上高前年対比も約1.6倍と伸びた。

売上高の2018年対比は、台風の影響の反動もあり27%増、インバウンドを除く国内売上高対比18%増とコロナ前水準に対して大きく上回った。中でも阪急本店は2018年対比32%増(同国内売上高対比17%増)、阪神梅田本店は72%増(同73%増)といずれも高い伸びを示した。免税売上高は、4カ月連続で単月として過去最高を更新している。

阪急うめだ本店は2カ月連続で過去最高売上高を更新した(同月対比)。

8月に引き続き、全カテゴリーにおいて店頭売上高が前年実績を上回り好調で、中でも婦人ファッション全般が前年売上高の2割以上とけん引した。

特に、インターナショナルファッション、アクセサリー、バッグは前年売上高に対し5割以上と大幅に増加した。

9月も依然真夏日が続き厳しい残暑だったが、ニット、コート、ジャケット、帽子、バッグ、ショートブーツなど秋冬ファッションが本格稼働した。

3連休は阪神タイガースのリーグ優勝も重なり、四国・九州をはじめ関東など遠方からの多数来店があった。食品などでは、阪神梅田本店と買い回りする人も多く見受けられたという。

100万円以上の高額品の売上高は、前年の約4割増と高い伸びを示した。

■高島屋(2023年2月期営業収益:4434億円)
高島屋国内百貨店既存店計は14.0%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は11.5%増だった。

9月度の売上高は、国内顧客・インバウンドとも好調に推移したことから、前年・2018年を上回った。

なお、消費増税(2019年10月)に伴う駆け込み需要の反動を受け、2019年比では下回っている。

免税売上高は前年同月比239.0%増、2019年同月比55.3%増となった。

店舗別売上高では、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、岡山店が前年を上回った。

商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、 スポーツ、リビング、食料品が前年実績を超えた。

■そごう・西武(2023年2月期営業収益:1854億円)
そごう・西武10店の既存店売上高は前年同月比3.5%増(2019年同月比22.1%減)、西武池袋本店は7.9%増(同17.8%減)となった。

9月は、残暑とマスクオフ影響でベースメイク中心に化粧品が、前年同月比9%増と伸びた。婦人雑貨全体でも6%増と好調に推移している。

気温の高止まりを受け婦人服は9%減とやや伸び悩むも、プレステージブランドは21%増と依然好調継続している。

衣料品計では5%増、食品も堅調に推移し2%増となっている。

免税利用売上・客数も復調し、売上前比約3倍弱、2019年比約23%減。客数前比約10倍弱、2019年比約3%減だった。

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