H2O/3月期、GMS既存店が苦戦し増収減益
2019年05月14日 12:10 / 店舗
エイチ・ツー・オーリテイリングが5月14日に発表した2019年3月期決算によると、売上高9268億7200万円(前期比0.5%増)、営業利益204億2200万円(10.3%減)、経常利益213億7600万円(11.9%減)、親会社に帰属する当期利益21億6200万円(85.2%減)となった。
売上面は、阪急本店をはじめとする都心型店舗が好調に推移した百貨店事業や、前年度の第1・2四半期実績のない神戸・高槻事業の寄与により、伸長した。
利益面では、食品事業の苦戦、不動産事業の再開発進展、百貨店事業の阪神梅田本店の建て替えなどにより、営業利益、経常利益ともに減益だった。
千里阪急との一体再開発を検討している商業施設・セルシー、イズミヤの店舗建て替え・閉鎖など中長期計画に基づき進めているプロジェクトにかかる店舗等閉鎖損失72億円、阪急オアシスやイズミヤの不採算店舗などの減損損失を25億円、大阪府北部地震や台風21号などの災害にかかる損失を特別損失として14億円計上し、当期利益は大きく減少している。
百貨店事業は、売上高4518億円(1.3%増)、営業利益175億円(2.4%減)。
大阪府北部地震や相次ぐ大型台風の上陸など自然災害による影響を受けたが、国内需要・インバウンド需要が牽引した阪急本店の売上高が前年比4.3%増と伸長したことなどにより、売上高は前年度に対して56億円の増加となった。
また、2018年6月に阪神梅田本店の建て替え第1期棟がオープンし、減価償却費などが増加した結果、営業利益は前年度に対して4億円の減益となった。
阪神梅田本店の売上高が予想比6.5%増となったことなどにより、営業利益は予想に対して17億円増加した。
2017年10月1日付で事業承継したそごう神戸店及び西武高槻店は、屋号やサービスを変更することなく運営し、ほぼ想定並みの結果となった。
食品事業は、売上高3675億円(4.9%減)、営業損失4億3800万円(前期は11億円の営業利益)で減収減益。
イズミヤが売上高6.3%減で、店舗建て替えに伴う費用が先行していることに加えて、GMS既存店が集客に苦戦した。
阪急オアシスは、売上高3.6%減で、前年度より進めている不採算店舗の閉店などにより売上が減少し、生鮮相場安や暖冬の影響により既存店が苦戦した。
次期は、売上高9473億円(2.2%増)、営業利益184億円(9.9%減)、経常利益185億円(13.5%減)、親会社に帰属する当期利益77億円(256.1%増)を見込んでいる。
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