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イトーヨーカドー/店舗構造改革「SC化推進」改装店舗は29億円増益

2020年01月20日 19:42 / 店舗

セブン&アイ・ホールディングスはこのほど、2018年度までに店舗構造改革を実施した43店舗は、改装前に比べて29億円の増益となったことを明らかにした。

<セブン&アイ本社>
セブン&アイ本社

2020年2月期第3四半期決算説明会資料で公表した。食品館など22店は、分社化を視野に、グループ連携で収益性改善を図るほか、不採算店舗33店は、グループ企業や外部連携を模索し、閉店も検討している。

一方で、継続可能と判断した103店については、有力テナント誘致、成功事例の水平展開の加速を目指し、SC化を推進している。

2016年度から2018年度まで43店舗の構造改革を実施、30店を閉店している。2019年度第3四半期決算は、24店の構造改革と5店の閉店を実施している。

2019年10月までに構造改革を実施した21店の実績では、売場面積変化率は自営8.4%減、テナント15.9%増で、自営坪当り売上は6.8%増、SC計客数は7.4%増となった。その結果、営業利益は21店で1億2000万円、改善した。

成功事例の共通点は、「ライフスタイル売場の大胆な減積」「大型テナントを上層階に誘致」「食をテーマにしたゾーニング」の3つとなった。

食をテーマとしたゾーニングでは、フードコートと食物販テナント、自営食品売場の一体感を醸成した売場づくりを実施。また、大型テナントを誘致することで、集客力・買い回りが向上した。

<赤羽店の改装事例>
赤羽店の改装事例
出典:2020年2月期第3四半期決算説明会資料

JR赤羽駅前の「イトーヨーカドー赤羽店」は、衣料品の悪化、食品売場改装の遅れ、競合の出店などにより、収益性が悪化していた。イトーヨーカ堂の多くの店が、赤羽店のように駅前・多層階店舗となっており、赤羽店の改装を通じた、新しいショッピングセンターモデルを構築するため、2019年3月に改装オープンした。

上層階をテナント化し、1階に食物販を導入し、地下の食品売場への誘導を図った。同時に、地下の食品売場を改装し、品ぞろえの強化、イートインを設置した。

改装では、ライフスタイル売場を約70%削減した一方で、テナント売場を約2倍に拡大した。2019年4月から11月までの実績は、客数22.9%増、売上11.5%増、坪当たり売上10.1%増となった。今後、赤羽店のような成功事例を他の駅前・多層階店舗へ水平展開する予定だ。

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