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渋谷サクラステージ/商業施設1万5200m2で体験型重視・路面店的な展開も

2023年02月09日 16:00 / 店舗

東急不動産が参加組合員として参画する渋谷駅桜丘口地区市街地再開発組合は2月9日、現在、推進中の「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」の新施設名称を「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」に決定したと発表した。渋谷の新たなランドマークとなる新施設は、2023年11月30日に竣工・以降順次開業し、店舗等がおおむね開業する2024年夏には、まちびらきのイベントを実施する予定だ。

<渋谷サクラステージを発表する岡田社長>
渋谷サクラステージ

2月9日、東急不動産が「セルリアンタワー東急ホテル」で施設名称発表会・事業概要説明会を開催した。東急不動産の岡田正志社長は、「当社は渋谷で創業し、渋谷に本社を構え、70年にわたり地元の皆様と街づくりを進めてきた。準備組合時代から数え約120名の地権者の皆様との会合は計640回と長い時間をかけて議論を重ねてきた。渋谷の特徴でもある谷地形を克服する大規模な基盤整備など、多くの関係者がいる中で、膨大な時間と当社のリソースを注ぎ地権者の皆様の将来を考えた取り組みをした」と挨拶した。

<施設所在地>
施設所在地

施設は、「働・遊・住」を兼ね備えた大規模複合施設で、さまざまな規模の企業がフレキシブルに入居することが可能なオフィスや、最先端のトレンドやカルチャーを創出・情報発信する商業施設に加え、渋谷駅中心地区で唯一、住宅を整備する。また、外国人ビジネスパーソン等に対応したサービスアパートメント、子育て支援施設、国際医療施設や、新たなビジネスの創出の場となる起業支援施設を導入する。

また、日本を代表するターミナル駅である渋谷駅に隣接し、駅や周辺地区を結ぶ多層の歩行者ネットワークを整備することで、周辺地区とのつながりの回復やグローバルに対応した機能・仕組みの充実により多様な人々を受け入れる。さらに、緑あふれる広場の整備やまちとしての継続的なイベント実施などを通じてにぎわいを創出し「めぐり歩いて楽しいまち」を目指す。

<商業施設のイメージ>
商業施設

最先端のトレンドやカルチャーを創出・情報発信を担う商業施設は約1万5200m2の店舗面積を有し、多種多様なテナントが出店する。情報発信の拠点となる「イベントスペース」と「デジタルサイネージ」、様々なコミュニティが生まれる「にぎわいSTAGE」や、安らぎを感じられる緑豊かな「はぐくみSTAGE」など、それぞれの目的に合ったスペースを整備する。商業施設での体験を通して、多様な趣味を楽しむ人々や最先端のクリエイターが集う場所を生み出す。

商業施設について岡田社長は、「雑多感が渋谷の街の特徴であり、施設計画でもそういった街の特徴を意識した街づくりをしている。商業施設は、ショッピングセンター形式で統一的なテナント運営を行うよりも、商店街のような、路面店的な街づくりを計画している。東急不動産が所有する区画もあるが、地権者が所有する区画もあるので、以前のような個性的なお店が入ってくるのではないかと期待している」と述べた。

<黒川渋谷開発本部長>
黒川渋谷開発本部長

執行役員都市事業ユニットの黒川泰宏渋谷開発本部長は、「商業施設では、世の中のライフスタイルやニーズの大幅な変化に対応し、従来とは異なる体験価値の提供を目指す。桜丘は、音楽店などが集積し、趣味を楽しむというローカルカルチャーが根付いていた。施設はそのカルチャーを守り、次世代に継承しつつ、最先端のトレンドやカルチャーの創出、情報発信を担う。また、商業エリアの一角にデジタルサイネージやイベントスペース、広場を設置し、多様な趣味を楽しむ人々や、最先端のクリエイターが集う場所を設ける。それらにデジタルを駆け合わせ、訪れた全ての人々に多彩な顧客、体験を提供し、発信することで、この街の新たなカルチャー拠点として、街の賑わいを創出したい」と語った。

また、他の商業施設との差別化については、「通常の商業施設は物販を中心としているが、コロナ禍で苦しくなっている。我々は、ピンチをチャンスと捉え、より体験型の方にシフトし、いろいろな価値提供ができる施設を目指している。そのためにイベントスペースも展開する。今までは我々がイベントを考えてきたが、テナントさん同士で会話していただいて、テナントの主導で一緒にイベントをやることを考えている」と述べた。

<開発前の計画地>
開発前の計画地

計画地は南北に長く、谷地を特色とする起伏に富んだ地形となっている。JR線に加えて、1964年に開催された東京オリンピックの際に拡幅された国道246号により、渋谷駅と分断されて周辺地域との連続性が欠如していた。

<プロジェクト平面図>
プロジェクト平面図

今回、まちの分断や地形の高低差を解消し、周辺地区とのバリアフリーなつながりのために、渋谷駅の新たな交通拠点を担うJR線の駅舎の整備に協力。JR渋谷駅の新改札口からのアプローチとなる(仮称)北自由通路や国道246号を横断する渋谷駅西口歩道橋デッキなど、東西方向・南北方向の回遊動線の構築により、周辺地区とのつながりを回復し、大規模ターミナル駅に相応しい交通結節機能の強化、歩行者の利便性・安全性の向上を図る。

<歩行者デッキを整備>

また、都市計画道路(補助線街路第18号線)横断のための歩行者デッキの整備に加え、周辺地区と連携した縦軸動線「アーバン・コア」を整備し、駅とまち、地下と地上を結びつける歩行者動線の要を整備する。駅・周辺地区との回遊動線を構築し、多層の歩行者ネットワークを整備することで、駅周辺全体の回遊性の向上を図り、代官山や恵比寿といった後背地への接続を実現する。

<プロジェクト断面図>
プロジェクト断面図

渋谷サクラステージ全体では、A街区の名称を「SHIBUYAサイド」、B街区の名称を「SAKURAサイド」に決定した。また、「SHIBUYAサイド」に建設中のA1棟は「SHIBUYAタワー」、A2棟は「セントラルビル」、「SAKURAサイド」に建設中のB棟は「SAKURAタワー」、そしてB先端棟は「SAKURAテラス」と名付けた。

<空間演出のイメージ>
空間演出のイメージ

施設内の共用部分の演出では、リアルとヴァーチャルを横断する総合的なクリエイティブ力をベースに、豊かな世界観と体験をつくるデザインコレクティブであるFLOWPLATEAUX(フロウプラトウ)を空間演出プランナーとして起用した。人流や気象データなどを活用した演出によって365日異なる空間を創出。空間演出のために独自に開発した小型照明約1200個を立体的に配置し、音響と照明を連動させることで、にぎわいSTAGE全体を一体として演出する。

<ティーザーサイト公開>
ティーザーサイト公開

渋谷サクラステージ開業にあたり、2月9日からティザーサイトを公開した。サイト内では、施設コンセプトや、施設内に誕生した各エリアに関する情報等を公開する。また、今後発表のテナント情報等も順次、公開する予定だ。

■特設サイト
https://www.shibuya-sakura-stage.com/

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