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食品宅配市場/2016年は3.3%増の2兆782億円

2017年09月22日 14:00 / 経営

矢野経済研究所が発表した食品宅配市場に関する調査によると、2016年度の食品宅配総市場規模(主要10分野合計値)は前年度比3.3%増の2兆782億円であった。

<食品宅配総市場規模>
食品宅配総市場規模

調査対象は、在宅配食サービス、食材(惣菜)宅配、宅配ピザ、宅配寿司、外食チェーン・ファストフード宅配、牛乳宅配、生協の個配サービス、ネットスーパー、コンビニエンスストア(コンビニ)宅配、自然派食品宅配の10分野。

少子高齢化の影響を受け、国内の食関連市場は縮小傾向にあるなか、2015年度に2兆円の大台に乗り、堅調な伸びを示した。

食品宅配市場においては、シニアが共働き・子育て世帯と並ぶ重要なユーザーになりつつある。

従来から高齢者が主要ターゲットである在宅配食サービスのほか、生協の個配サービスやネットスーパー、自然派食品宅配、コンビニエンスストア(コンビニ)宅配などは、シニア層を意識した品そろえとサービスの強化で囲い込みを図っている。

2017年度の食品宅配総市場規模(主要10分野合計値)は3.0%増の2兆1413億円、2021年度には2兆3985億円に拡大し、2017年度から2021年度の年平均成長率(CAGR)は2.9%で推移する予測した。

<2016年度の分野別構成比>
2016年度の分野別構成比

今後も、シニアや共働き世帯を主要ターゲットに、分野別では在宅配食サービスやネットスーパー、コンビニエンスストア(コンビニ)宅配などが比較的大きな伸びを示すと見込んでいる。

少子高齢化や女性の社会進出といった社会的要請を受けて、食品宅配サービスは年々、その重要性を増しているが、オムニチャネル化の進展やサービスの拡充に伴い、異業種のみならず、業態間の競争が激化している。

宅配事業者の値上げなどによる配送コストの上昇と配送員不足といった配送に関連する課題もある。

実店舗とインターネット通販などを相互活用し、あらゆるチャネルで顧客(消費者)と接点をもつオムニチャネル化が進展した結果、都市部などでは宅配以外に店舗での受け取りサービスを希望する消費者が増えている。

一方、過疎地域では、高齢者を中心に食料品や日用品の購入に不便を感じる消費者が増えており、周辺に配送拠点を持つ宅配事業者が支援に乗り出している。

少子高齢化の進行に伴って、食品宅配サービスの主要顧客となるシニア層の取り込み・囲い込み競争は今後、ますます激化すると予想される。

食品宅配サービスは、「宅配」の領域を超えて、高齢者の見守りや生活支援、さらには地域活性化にも寄与することが求められており、民間事業者間の業務提携のほか、国や地方自治体と連携した取り組みが急増している。

社会サービス化する食品宅配は、超高齢社会を支える日本独自のサービスとして、宅配事業のひとつの方向性を示しているという。

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