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軽減税率/外食各社「税込価格統一」か「本体価格+税」に対応分かれる

2019年09月04日 18:15 / 経営

外食企業各社は、10月1日から導入される軽減税率への対応を発表している。軽減税率制度では、持ち帰り商品は消費税率は8%に据え置きとなるが、店内飲食の場合は10%の税率が適用される。

各社で対応に苦慮しており、「税込価格を表示し、店内飲食と持ち帰りで価格を統一する」チェーンと「税別本体価格と税率を表示し、店内飲食と持ち帰りの価格を変更する」チェーンに対応が分かれた。

価格を統一する場合は、税別本体価格を調整して、それぞれ8%と10%の税率を組み合わせて、税込価格を統一する運用となる。

<牛丼並盛の一例>
牛丼並盛の一例

牛丼チェーンのすき家と松屋フーズは、店内飲食と持ち帰りの場合での税込価格を統一する。両社とも、お客の分かりやすさを重視した結果、商品価格を統一したという。

松屋フーズは券売機を使用しており、10円以下の端数の処理が難しいことも考慮した。すき家と同じゼンショーグループのなか卯も、券売機を利用しているため、店内飲食と持ち帰りで価格を統一する。

一方で、吉野家は、従来から本体価格を表記しており、持ち帰りは8%、店内飲食は10%の税率を適用する。同社広報によると、「お客様にとって同じ価値のある商品ならば、商品価格は同じであるべきで、税率によって商品価格が変化すると一物二価になってしまう」という。

ハンバーガーチェーンでは、最大手の日本マクドナルドは9月上旬に対応を明らかにする予定で、方針を公表していない。モスバーガーは、持ち帰りは8%、店内飲食は10%の税率を適用する。

フレッシュネスバーガーは、現行の税込価格を維持し、店内飲食と持ち帰りの場合で、お客が支払う価格を統一する「税込同一価格」とする。

JR東日本フードビジネスが展開するベッカーズは、店内飲食と持ち帰りの税込価格を統一する。駅構内への出店が多いベッカーズは、サービスにスピードが求めれているため、お客に分かりやすく、店舗オペレーションもシンプルな税込価格を採用した。同社が展開するコーヒーチェーンベックスも同様の理由から、店内飲食と持ち帰りの税込価格を統一する。

日本ケンタッキー・フライド・チキンは、店内飲食と持ち帰りの税込価格を統一する。同社によると、セットメニューの売上構成比が高く、分かりやすい価格設定を優先した。

イタリアレストランのサイゼリヤは、大半の現行メニューの税込価格を据え置き、持ち帰りと店内飲食の価格を統一する。持ち帰りはごくわずかだが、お客に分かりやすい価格表示をする。

コーヒーチェーンでは、スターバックスコーヒーは、持ち帰りは8%、店内飲食は10%の税率を適用する。同社は、これまでも持ち帰りか店内飲食かを確認してお客に商品を販売しており、従来のオペレーションを踏襲し、法定税率を適用する。

ミスタードーナツは、持ち帰りは8%、店内飲食は10%の税率を適用する。これまでも持ち帰りか店内飲食かを確認してお客に商品を販売しており、従来のオペレーションを踏襲し、法定税率を適用するという。

ゼンショーホールディングスとJR東日本フードビジネスは、ファストフード以外の複数ブランドを運営しているため、業態別に対応を決定している。

両社とも基本的には、外税方式でフルサービスのレストランは、持ち帰り8%、店内飲食10%の税率を適用する。税込表示で、スピードが求めれる業態は、価格を統一する方針を打ち出している。

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