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イオン/2023年首都圏で新ネットスーパー本格開始

2019年11月29日 18:24 / 経営

イオンは11月29日、英ネットスーパー企業Ocadoグループの技術を使い、新ネットスーパーを首都圏で2023年に開始すると発表した。

<岡田社長とスタイナーCEO>
岡田社長とスタイナーCEO

イオンは同日、英ネットスーパー企業Ocadoグループ子会社Ocado Solutionと、日本国内における独占パートナーシップ契約を締結を発表、都内で記者会見を開いた。

岡田元也社長は、「デジタルシフトを進めるイオングループの大きな挑戦。まずは首都圏で事業を開始し、全国に広げていく。既存のネットスーパーもOcadoのシステムを入れ改革、既存のリアル店舗もテコ入れしOne AEONで、知識における生産性の競争を勝ち抜く」と説明した。

Ocadoは2000年に設立されたネットスーパーを運営する企業。店舗を持たず、ネット専業で、AIとロボットによるピッキングを駆使した最先端の顧客フルフィルメント・センター(以下:CFC)と精緻な宅配システムを確立している。

<ロボットピッキングを駆使>
ロボットピッキングを駆使

そのノウハウや技術を他社に提供するビジネスモデルを構築。世界中の小売業者にOcado Smart Platform(以下:OSP)と呼ばれるエンドツーエンドのオンライン食料品・日用品販売のソリューションを提供している。

今回の提携により、イオンはデジタル、AI及びロボティクス機能の強化に向け、2020年3月までにネットスーパー事業のための新会社を設立する。Ocadoグループも現地法人を立ち上げ、システム面でイオングループをサポートする。

ピッキングロボット「ボット」は食品・日用品を約5分で50個ピッキング可能。お互いに一定の間隔を保ち、秒速4mで、1日1台当たり50~60㎞移動する。免許不要周波数帯で毎秒10回の指示を受けることができる。

OSPを利用し、2023年に日本で第1号のCFCを設立、首都圏と中心に事業を開始、全国展開し、2030年までに6000億円の売上高、黒字化を目指す。

例えば、マルエツ、ダイエーなど、イオングループ各社が参画し、食品・日用品を中心に取り扱い、今後消費者の需要に応じて、取り扱いジャンルを拡大する。

現在CFCは場所を選定中で、配送は事業開始当初は3PL業者に委託するが、将来的にはイギリス同様自社物流をメインにし、ラストワンマイルの顧客コミュニケーションを強化したい考えだ。

<直感的に利用しやすいネットスーパー目指す>
直感的に利用しやすいネットスーパー目指す

新ネットスーパーでは、顧客が直感的に利用しやすいインターフェイス、商品の柔軟な変更、AIによるリコメンド機能などでイオンカード会員1万人を基盤に、事業を強化していく。

<中央:吉田副社長>

吉田昭夫副社長は、「現在店舗ピッキングにより、ネットスーパー事業を行っている。新ネットスーパーは、大規模なITを駆使した専用物流センターを設け、食品・日用品を中心に配送する。しばらくは、2つのネットスーパーが併存し、地域によっては統合する」。

「OSPは、イギリスでは5万SKUまで扱え。1時間ごとに配送時間を指定できるシステム。ロボットを使い倉庫では5分に50個さばける。商品に関しては、鮮度に対する顧客満足度も高い。イオンではデジタルネイティブなミレニアル世代が労働人口の中心になる日本で、共働き、単身世帯の増加という時代の変化に合わせ、拡大するネットスーパー市場で2030年にはシェア20%を目指す」としている。

ティム・スタイナーCEOは、「Ocadoは、設立して20年、売上2800億円規模の企業。イギリス全土をカバーし、週35万件の配送を実施している。倉庫内はAI、ロボットを活用し自動化を推進し、そのノウハウをマークス&スペンサー、クローガーなどに提供している」と話した。

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