上場企業「早期・希望退職」/35社が公表「小売」は計1060人募集
2020年06月10日 17:40 / 経営
東京商工リサーチは6月9日、上場企業の2020年における「早期・希望退職」募集について、6月9日までの調査結果を発表した。
6月9日までに上場企業の「早期・希望退職」の募集が35社に達し、2019年1年間(35社)に並んだ。
募集人数は業種別で、暖冬や新型コロナウイルス拡大防止のための休業が響きアパレル、百貨店・コンビニといった小売、輸送機器などが多かった。
6月9日までに35社を超えたのは、2010年以来、10年ぶり。2010年は最終的に85社が「早期・希望退職」募集を実施した。
<早期・希望退職の推移>
※出典:東京商工リサーチホームページ
35社の募集人数は、判明分で合計6417人。人数が最も多いのは、レオパレス21の1000人。次いで、ファミリーマートの800人(応募人数1025人)、ノーリツの600人(同789人)となっている。
業種別の社数では、昨年10月の消費増税、暖冬、新型コロナウイルスの三重苦に見舞われたアパレル関連が、オンワード350人、レナウン300人、片倉工業100人など5社(募集人員合計770人)で最多だった。
次いで、百貨店・コンビニなどの小売業(同1060人)と輸送用機器(同850人)が各4社、電気機器(同140人)と精密機器(同220人)、旅行業・広告業などサービス業(同200人)が各3社で並んだ。
2019年の「早期・希望退職」募集は、業績堅調な業界大手が将来の市場環境を見すえた「先行型」の実施が目立った。
2020年は年初まで先行型の募集が多かったものの、2月中旬以降は再び赤字企業の「従来型」募集が集中しているという。
2019年6月までに「早期・希望退職」募集を実施した17社のうち、直近決算の赤字は5社で、全体の29.4%と3割を切っていた。2020年6月までに実施した35社のうち、赤字企業(17社)は48.5%と半数に達している。
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