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ワークマン女子/土屋専務が語る戦略、海外出店・機能性下着を強化

2023年09月01日 13:58 / 経営

ワークマンは現在、「#ワークマン女子」の店舗数・売場を増やすために、新業態「Workman Colors」で新規顧客やインバウンドに向けた訴求を行いながら、機能性インナーを強化している。さらに、海外展開を視野に入れ、2024年には沖縄の商業施設「イオンモール沖縄ライカム」(沖縄県中頭郡)に「#ワークマン女子」をオープン。機能性商品の展開と海外アンバサダーの確保を同時に進め、沖縄に近い気候である台湾に海外1号店の出店を目指す。今後の戦略について、土屋 哲雄 専務取締役に話を聞いた。

<銀座店に立つ土屋専務>

銀座に新業態を出店した狙いについて、「銀座に出店するにあたり、特別感を演出した。(既存店と)商品内容は一緒、店の造りが違う。Workman Colorsの『Colors』は、色が派手なことから名付けた。職人さんは夕方、仕事する時に目立つ服を着ないと事故につながるので、黄色とかの原色が多い。外国人が多く訪れる新宿や梅田に10店舗ほど展開していく。海外の方々にワークマン製品の機能性が価値として定着するには、10年から20年かかると思う。まずは製品を見て『かわいい』『かっこいい』と思ってもらい、その場で購入してもらえるようにする。機能はステルス、デザインを前面に出した」と話す。

「#ワークマン女子」を今後も広げていくために、まずは機能性インナーを強化する。8月30日からは、ファンケルから素材提供を受け開発した「保湿素材肌着」シリーズの販売を開始した。保湿素材肌着は、同社の化粧品にも配合されている独自の保湿成分「セラミドヴェール」を微細なカプセルにして生地に練りこんでおり、うるおいを守り、乾燥を防いでくれるという。

「下着は素材重視、機能と価格で勝負できる。涼しい、保湿といった機能だけではなく、花粉症・アトピー・虫よけなど、考えればいくらでもある。子どもの虫刺されを気にする親御さん世代も多いので、ファンケルとのコラボ製品のように、下着に自然由来の虫よけ成分を練り込んだ製品も企画している。農業用の作業服・上着で培った技術を下着にも転用していく」と説明する。

加えて、9月から流行を取り入れるための生産方式「クイック・レスポンス」を採用した小ロット生産品を販売する。中国SHEIN社のシステムを参考にしたもので、中国での現地調査に加えて、海外メーカーの協力を得て実現した。500着から発注できる。

「低価格の維持に苦労した。500着とは、通常のアイテムで20万着を発注する時にチェック用のサンプルを作るのと同じ生産ロットだ。当社はメーカー変えない会社で、国内だと42年間変えていない。海外のメーカーとは15年の付き合いがあり、コロナ禍の時も海外駐在者なしで、電話だけで3年間やりとりしたが差支えなく、気心が知れた関係だ。高い土地に出店すると採算性は下がるが、うちの損益分岐点は56.9%。安価で提供することで、少しでも顧客に還元したい」と明かす。

さらに、海外展開について、「沖縄では、インバウンドの集客が10%は見込める。海外からアンバサダーを集めて、まずは台湾での展開を目指す。インフルエンサーを集客するためにフォトスポットを多く設置する。台湾の気候は沖縄の気候とほぼ同じため、品ぞろえは全く同じものを置くつもりだ。那覇で売れれば、台湾でも売れる。冬場に強いアイテムは元々備えているため、現在進めているように夏でも売れる商品を強化していく」と話した。

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