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鳥貴族/海外展開拡大で「焼とりの八兵衛」「焼鳥 市松」と提携

2024年05月16日 16:00 / 経営

全品均一価格の焼鳥屋「鳥貴族」を運営するエターナルホスピタリティグループは5月15日、焼鳥を軸として海外展開を拡大するため、福岡博多を中心に「焼とりの八兵衛」などを展開するhachibei crewと、ミシュラン一つ星を獲得し続ける「焼鳥 市松」を運営するAOの2社と、協業に向けた基本合意書を締結した。

<八島社長と大倉社長CEO>

エターナルの大倉忠司社長CEOは、「当社は5月1日、鳥貴族ホールディングスからエターナルホスピタリティグループに社名変更した。海外への本格出店にあたって、海外で 通用する社名にするのが1番の理由だ。世界の外食市場へ挑戦する意思を込めた。そして、今は鳥貴族がコアビジネスになっているが、今後は 色々な事業、ブランドが増える可能性を考えて、持株会社は 鳥貴族の名前を外した方がグループに入ってもらいやすいことも理由の1つだ。第2の創業という思いで、永遠のグローバル企業を目指す」と語った。

hachibei crewの八島且典社長は、「福岡をベースに、焼きとりの八兵衛というお店を40年やってまして、いまハワイに1店舗、ベトナムに2店舗、マニラに2店舗、そして海外は何店舗か計画中となっている。去年ぐらいから大倉社長から、『単独で世界に行くよりも、グループで世界に行ったらいい』という話は受けていた。去年の10月に鳥貴族さんの社名をエターナルホスピタリティグループに変える話を聞いた時に、大倉社長が本気なんだと思って、正直、ちょっと怖いなと思った。鳥貴族という会社の社名が変わる。これは、すごいチャレンジ・冒険で、完全に海外に目が向いているんだという本気を感じて、僕はそこから『大倉社長、良かったらお供させてください』ぐらいの気持ちで話を進めてきた』と述べた。

<エターナルの事業ビジョン>

大倉社長は、「アメリカロサンゼルスの焼き鳥店『HASU』を5月1日付で取得した。5月1日は鳥貴族創業の日となるが、社名をエターナルホスピタリティグループへと変更し、ビジョンを刷新した。新たなビジョンは『グローバル焼き鳥ファミリー』だ。このビジョンには、創業時の思いを忘れず、これからも焼き鳥を事業の軸とする、そして様々なパートナーと協力し合い、日本が誇る焼き鳥の文化、価値を世界に広げることで、世界を明るくしていきたいという思いを込めた。焼き鳥という 日本の素晴らしい料理文化を広げることで、焼き鳥という日本語を世界で通じる言葉にしていきたい。今後は、焼き鳥を事業の軸として、世界の外食市場へ挑戦する。鳥貴族だけでなく、国内の様々な焼き鳥ブランドとともに、 オールジャパンで世界に日本の焼き鳥文化価値を広げていきたい」と世界進出への意気込みを語った。

<様々なブランドを海外に展開>

具体的には、グループの中核ブランドである「焼鳥屋 鳥貴族」にミドルレンジ・ハイエンド焼鳥業態を加え、“焼鳥”を事業の軸とした複数ブランドでの事業拡大、海外展開を目指す。現在の鳥貴族の客単価は2200円程度。一方で、ミドルレンジと位置づける焼きとりの八兵衛の客単価は5000円前後となっている。ハイエンドは、コースで1万円強、ドリンク込みで2万円程度を想定している。大倉社長は、「海外でも消費の2極化が進んでいる。景気が良い話だけではないが、いまの海外での日本食ニーズを考えると、鳥貴族でカバーしていないミドルレンジ・ハイエンド業態が市場に合っていると思う」と述べている。

今後、hachibei crewとは、「焼とりの八兵衛」ブランドや経営資源の共有等により、国内外における店舗展開の拡大が期待できると考え、両社間の資本・業務提携について具体的な協議を進める。また、「焼鳥 市松」を運営するAOとは、同社が有するノウハウの共有等により、海外出店を念頭に置いた新たなハイエンド焼鳥業態を開発・共同展開することが期待できると考え、両社間の業務提携について具体的な協議を進める計画だ。

<質疑応答の様子>

大倉社長は、「焼とりの八兵衛について、私は前からですね、 非常にもったいないと思ってました。国内は、六本木に1店はあるが、ほぼ博多だけで出店されているが、各主要都市は絶対いける。その可能性は十分にある。海外はもっと可能性がある」と述べた。

エターナル海外事業管掌の清宮俊之取締役COO(写真左端)は、「焼とりの八兵衛の国内の進出についても、これからよりスピード化できるように相互に検討していきた。ただ、メインはやはり海外だ。hachibei crewには、ミドルレンジのほかに高級業態もあり、別ブランドで豚バラの業態もある。幅広く検討しつつ、海外については少なくとも100店舗以上の展開を一緒に目指したい」と海外進出の計画を説明した。

八島社長は、「100店舗については、今回、応援があるので、多分5年ぐらいで行くと思う。海外に行くと、本当にアフターコロナでも空き店舗が多い。いま、本当にいい場所に出店できる。マニラでは、1号店を出した時点で、7号店までが決まる。ベトナムでも3号店と同時に6号店まで話が決まる。そういうペースです。海外では、アフターコロナの動きが早い。日本の出店スピードと海外の出店スピードは、僕は10倍くらい違うと思っている。できれば5年で100店舗やりたい」と抱負を述べた。

<六本木の焼とりの八兵衛>

鳥貴族の世界展開について、大倉社長は、「まだ具体的な数字は、発表できないが、焼とりの八兵衛の出店と並行して行っていきたい。商圏のニーズにあわせて、業態を使い分けていく。hachibei crewの5年で100店舗は、私も昨日聞いた話で、頼もしいと思う。気持ちとしては、鳥貴族もフランチャイズも含めれば、5年で100店という可能性は十分にあると思う」と答えた。

また、国内展開については、「鳥貴族ブランドにおいては、2030年に1000店舗という目標があり、まだ3分の1ぐらいは増やせる。グループに加わった『やきとり大吉』も、かつては約200店舗ぐらいあったので、人口が減少するとはいえ、まだ増やせると思っている。時代、時代で、お客様のニーズにどう答えていけるか、我々もどうやってそれに対して変化していけるか。勝ち組になれば、まだ、国内市場でも拡大の可能性はある」と見通しを語った。

<焼とりの八兵衛の焼鳥>

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