ヨークHD/イトーヨーカドーはフード&ドラッグに集中、既存店改装を強化

2025年09月03日 15:07 / 経営

ヨーク・ホールディングスは9月3日、2027年度以降イトーヨーカ堂はフード&ドラッグ事業に専念すると発表した。

都内で開催された戦略発表会で、ヨークHDの石橋誠一郎社長が明らかにしたもの。

<ヨークHDの戦略を公表>
ヨークHDの戦略を公表
※左からイトーヨーカ堂・山本哲也社長、石橋社長、西氏

現在イトーヨーカ堂はフード&ドラッグ事業・専門店事業・テナントリーシングなど、GMS全体に関する事業を担っている。

今後、イトーヨーカ堂はフード&ドラッグ事業に集中。食品スーパーマーケットとしてイトーヨーカドーの店舗価値を向上させる。また、GMSからコミュニティーショッピングセンター(CSC)化することで館全体の活性化を図る。

石橋社長は、「イトーヨーカ堂を含むスーパーストア(以下:SST)事業、その他事業(専門店など)の2026年2月期第1四半期の業績は、順調に推移。今後はグループの1社1社のポテンシャルを十分に発揮することで、集客の最大化を追求する。その一環として、イトーヨーカ堂は食品スーパーに集中。(施設運営管理の)クリエイトリンクがデベロッパー事業に加え専門店事業も担当するなど役割を分け、さらなる成長を目指す」と説明した。

セブン&アイ・ホールディングスは3月、ヨークHDをベインキャピタルが設立する買収目的会社に、約8000億円で譲渡すると発表し、9月1日に売却を完了。新体制に刷新した。

ヨークHDの株式構成比はベインキャピタル60%、セブン&アイHD35.07%、創業家4.93%(伊藤家・大高家計)。

ベインキャピタル・ジャパンの西直史 パートナー兼日本プライベート・エクイティ共同責任者は「買収の決め手は、100年以上続くハトのマークへのお客様の信頼度だった。地域に根差し、皆に愛され覚えられているブランドという無形の大切な財産の価値は、われわれが当初想定した以上だと思っている。今後は、イトーヨーカドー既存店の改装を強化。M&Aで同業他社を獲得し、ドミナントを延長することも検討。必要であれば数千億円規模の投資を行うことも考えている」と話した。

また、ヨークHDとベインキャピタルは「グループ変革推進室」を設置。今後、ITコスト適正化、事業移管の計画・検証、各社横断の調達、プライシングロス改善、セントラルキッチンの連携、スーパー向けセブンプレミアム商品開発拡大、事業構造改革施策の徹底の7つに取り組む。

なお、ヨークHDは2026年度、新たな中期経営計画を発表することを予定している。

取材・執筆 鹿野島智子

ヨークHD/石橋社長「ヨークベニマルは出店加速・地域拡大」

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