セブンイレブン/商品を自動運転トラックで輸送、MRG・T2と共同で長距離輸送の実証
2025年12月01日 15:40 / 経営
セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)は商品を自動運転トラックで輸送する実証を始める。三井物産流通グループ(MRG)、T2の両社と共同で、関東~関西間の高速道路一部区間で長距離輸送を行う。
自動運転を行う区間は、MRGの埼玉第二センター(埼玉県新座市)からMRG関西センター(兵庫県尼崎市)までを結ぶ高速道路の一部区間で、東名高速道路・綾瀬スマートIC~名神高速道路・尼崎ICの450kmとなる。
部分的に運転が自動化される「レベル2」に対応したトラックを使用。12月1日から来年4月までの間に計3回実施する。
運ぶのは「セブンプレミアム」の常温商品で、傘やカップみそ汁、キッチンペーパー、ソフトパックティッシュなどで、比較的軽いものを選定している。
各社の役割は、SEJが実証のテーマ設定や対象商品の提供。MRGは物流拠点の提供、積込み・荷卸し、運行スケジュール管理など。T2は自動運転トラックの提供、走行データの収集・分析、技術検証を担う。
12月1日、3社は都内で共同発表会を開催。セブン-イレブン・ジャパン執行役員QC・物流管理本部長の山口繁氏は今回の取り組みの背景や狙いについて次のように説明した。
「取扱品目が多岐にわたるコンビニエンスストアという業態にとって、物流はビジネスの生命線と言っても過言ではない。店舗への納品の前に、いわゆる川上の部分で非常に多くの拠点間輸送を行っている。今回、ドライバーの負荷軽減を図るために、拠点間輸送で関東・関西間の高速道路での自動運転トラックの実証を始める」
MRGの柴田幸介社長は、将来的な輸送能力の不足について指摘し、自動運転による課題解決を目指し以下のように言及した。
「2030年には日本全体で輸送能力の34%が不足するという予測もあり、これを物量に換算すると約9億トンのものが届かないという可能性を示唆している。この結果、欲しいものが欲しい時に手に入らないということが起きる。こうした問題解決のために自動運転でさまざまな対応をしていきたい」
また、SEJでは使用済みの食用油をもとにしたバイオ燃料を軽油に混合した「B5軽油」を店舗配送車に試験導入する取り組みを行っており、今回の自動運転トラックの燃料にも活用する。
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