新生ツルハHD/ウエルシアHDと統合、海外と介護事業強化「ライフストア」目指す
2025年12月01日 17:43 / 経営
ツルハホールディングスとウエルシアホールディングスは12月1日、経営統合し、新生「ツルハホールディングス」が誕生した。
統合により、売上高約2兆3124億円、国内店舗数5659店舗、従業員数11万6343人と世界6位のドラッグストア企業となる(2025年2月末現在、ツルハHDの売上高は2024年5月期実績を使用)。
<新生ツルハHD誕生>

※左からイオン吉田社長、ツルハHD鶴羽社長、ウエルシアHD桐澤社長
鶴羽順社長は、新生ツルハHDの目指す姿を次のように語った。
「ただ企業規模を追い、店舗数を増やすのではなく、スケールメリットを生かし、身近で信頼される、お客様の生活に豊かさと余裕を提供する企業を目指す。グループビジョンとしてドラッグストアから、人生に寄り添うライフスタイルへ進化することを掲げた」。
「ライフストア」は、国内外の顧客の人生に寄り添い、健康的な生活を通じて、社会課題解決に貢献するインフラを目指すもの。
2029年2月までは、ライフストア実現に向けた価値創造基盤の構築を進める。
3年で総額500億円のシナジーを創出(イオングループとの100億円含む)。介護・海外事業の強化を行う。
2032年2月までには、介護領域を含めたライフストアへの進化、海外市場のさらなる拡充を目標としている。
総額500億円のシナジー創出のため、NB商品の調達先を統合。プライベートブランド(以下:PB)も両社の現在の商品を整理し、新PB「からだとくらしに、+1」を来春スタートする。
また、店舗フォーマットの切り替えも推進。現在ウエルシアHDで進めている、ドラッグ&フード業態への改装などを実施する。
そのほか、約1億人の顧客IDの早期統一、3年以内の基幹システム統合、物流の3社統合などを計画している。
海外事業について、「統合により、ドラッグストア世界3位の背中が見えてきた。まずはアセアン中心に強化する。現在ツルハが出店しているタイ・ベトナム、ウエルシアの店があるシンガポールなどで地域に根差したチェーン展開を行う。日本で培った店舗の楽しさ、質の高い接客を提供する」(鶴羽社長)。
介護事業は、エリアに根差した相談機能の強化、在宅・オンラインチャネルの拡大など調剤機能の拡充を図る。
さらに、調剤・購買データをもとに、顧客一人一人に最適なセルフケアも提案する考え。
イオンの吉田昭夫社長は、グループの重点事業であるヘルス&ウエルネス事業を担う両企業の統合について、以下のように意気込む。
「少子高齢化が進む日本で、医薬品・食品、健康サポートなどワンストップで提供でき、地域の拠点でもある、ライフストアとしての店舗の重要性が増すのではないか。両社にない機能で、イオングループにあるものであれば、すぐに利用できるようサポートを惜しまない」。
なお、新生ツルハHDの定量目標を盛り込んだ中期経営計画は2026年4月に発表予定だ。
流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。