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H&M/2017年は10店以上を出店、日本市場の可能性はまだ高い

2017年02月02日 18:26 / 流通最前線トレンド&マーケティング

エイチ・アンド・エム ヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパンは2月1日付で、代表取締役社長の交代を行った。H&Mノルウェー社長のルーカス・セイファート氏が代表取締役社長に就任した。

2008年の日本上陸から社長を務めていたクリスティン・エドマン氏は12月末で退任し、日本法人設立から初めての社長交代となった。

新社長就任にあたり2月2日、社長就任の記者会見が開かれた。日本での今後の出店戦略、課題、新ブランドの投入可能性などを、セイファート社長に聞いた。

<セイファート社長>
セイファート社長

――2008年9月13日に銀座へ1号店を出店してから8年が経ち、日本国内の店舗数は64店となった。2017年の日本での戦略と出店目標は。

ファッションとクオリティを最良の価格でサステイナブルに提供するのがH&Mの戦略であり、この戦略は日本でも踏襲する。日本では10店~14店の出店を計画している。4月には、沖縄県に初出店する。今後も店舗を拡大する方針だ。春に9店を出店し、秋にも1~4店を出店する予定だ。

――日本での出店数の見込みは。

日本の人口は1億2000万人で、我々はまだ64店しか出店していない。日本国内のユニクロは約850店を展開しており、これからも店舗を拡大できると思っている。

――出店立地は。

お客様が多い場所に出店する。都心にお客様がいれば都心に出店するし、郊外にお客様がいれば郊外のモールへの出店する。出店先としては、ショッピングセンターを重視している。ショッピングセンターの主要顧客はファミリーであり、キッズも展開できる。メンズ、レディース、キッズまで展開できるのが、ショッピングセンターの強みのひとつだ。

セイファート社長

――Eコマースの取り組みは。

日本国内では店舗とEコマースともに売上を伸ばしている。Eコマースの売上構成比は非公表だが有望なチャネルのひとつだ。現在、店舗では展開していない(インテリア雑貨のコレクション)H&M HOMEは、日本でEコマース限定で販売している。

――日本のお客の特徴は。

日本のお客様はファッションに興味があり、ファッションを知っている人が多い。ファッションを楽しむ人に対して、商品を販売できることは、私たちにとってもワクワクできることだと思う。

世界でも有数の経済大国である日本に来日できることをとてもうれしく思っている。日本文化も学び、さらにH&Mジャパンを成長させていきたい。

セイファート社長

――H&Mジャパンの課題は。

全ての人々のブランドであり、多様性があることがH&Mの強みだが、まだ多様性を十分に訴求できていない。メンズ、レディス、キッズ、ティーンエイジなど多様な商品展開を生かし、お客様のショッピング体験をさらに良いものにしていきたい。

ファッションとクオリティを最良の価格でサステイナブルに提供する目標もまだ不十分であり、それをさらに強化したい。

日本のローカルブランド、スペインのインディテックスのブランド、米国ブランドなど、強いブランドも多いマーケットだと感じている。

セイファート社長

――H&Mは女性が活躍しやすい会社と言われるが、その狙いは。

年齢、性別、宗教にとらわれず働ける環境が良い結果を出せると思っている。多様性のある社員がいることが良い結果をもたらす。H&Mジャパンは従業員の72%が女性であり、うち52%がマネージャーとなっている。(グローバルでは、H&Mの女性マネージャー比率は73%。日本はまだ低い水準となっている)。

――ファッションショーでお披露目した商品をショー開催と同時に販売する「See Now Buy Now」の取り組みの狙いは。

3月1日からH&M STUDIOコレクションで、パリのファッションウィーク期間中に「See Now Buy Now」の取り組みを開始する。

お客様は、ランウェイショーを見てから半年後に商品が欲しいわけでなく、すぐほしいと思っている。ファッション業界全体が、そうった方向で動いている。

商品開発の期間はコレクションにより異なり、6か月かかるものもあれば、4週間程度でできるものもある。この期間をさらに短くしていきたいと思っている。

――定番商品の新規投入サイクルは。

これまでも、毎日、新しい商品を投入し、毎日、何かが売り切れいてくサイクルで商品を投入している。コレクションによっては2~3週間で、企画段階から店頭販売にたどり着く商品もある。基本的に、毎日、何か新しい商品がある状況だ。

セイファート社長

――MONKI、WEEKDAYの日本撤退の要因は。今後の新ブランド投入の可能性は。

MONKIとWEEKDAYの日本上陸と撤退時に、私は日本に居なかったのでなぜ、撤退したのかは分からない。ただ、すべてのブランドに日本市場でのポテンシャルがあると考えている。

新規ブランドの展開では、ブランド投入のタイミング、出店拡大のタイミングが重要だ。MONKIとWEEKDAYは、将来、日本に戻ってくると思う。他のブランドにも可能性はある。

――H&Mノルウェー社長としてすでに実績を上げていますが、よい結果を残す秘訣は。

会社としていい業績を上げることが目標だが、目標達成のためには、個人が成長できるようにすることが大切だ。共通のゴールに向かっていく重要だ。私はチームプレイが好きであり、みんなでゴールを目指している。

■ルーカス・セイファート氏の略歴
1974年:生まれ(国籍スウェーデン)
1996年:H&M Hennes&Mauritz Belgium NVエリアコントローラー
1997年:H&M Hennes&Mauritz ABメンズウェアビジネスコントローラー
1998年:H&M Hennes&Mauritz Belgiumマーチャンダイジング責任者
2000年:H&M Hennes&Mauritz Franceマーチャンダイジング責任者
2004年:H&M Hennes&Mauritz AB本国組織セールスサポート
2006年:H&M Hennes&Mauritz ABグローバルマーチャンダイジング責任者
2009年:H&M Hennes&Mauritz Norway AS代表取締役社長
2017年:H&M Hennes&Mauritz Japan k.k.代表取締役社長、日本・韓国統括責任者

■H&M
http://www2.hm.com/ja_jp/index.html

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