ミネラルウォーター市場/2016年は2990億円規模に、無糖炭酸が高成長
2018年05月09日 11:40 / トピックス
矢野経済研究所は5月8日、国内のミネラルウォーター、宅配水市場を調査し、セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を発表した。
2016年度のミネラルウォーターの市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比103.6%の2990億円と引き続き高成長を持続した。
市場成長率を見ると、2016年度は2011年度比で22%拡大し、この5年間で大幅に成長した。
それに伴い、飲料市場全体に占めるミネラルウォーターの割合は、2011年度が5.0%、2016年度が5.9%と、その存在感を年々高めている。
2016年度の宅配水市場規模は、末端金額(エンドユーザー販売金額)ベースで前年度比109.6%の1,260億円と拡大した。
市場の成長期が東日本大震災の発生による水需要の高まりと合わさったことで、ミネラルウォーターを凌ぐ勢いで急拡大してきた。2016年度は東日本大震災が発生した2011年度比で51%増と、この5年間で急成長した。
また、炭酸飲料のなかでも成長著しいのが無糖の炭酸水となっている。
以前は、主にアルコール飲料の割り材であったが、最近では30代、40代を中心に、水代わりにストレートで飲む「ストレート飲用(直飲み)」が定着し、飲用シーンが広がっている。
近年は少量の果汁やフルーツの香りなどを加えた炭酸水も登場し、市場規模は年々拡大している。現在は固定客による高頻度の購入に支えられているといった状況であり、今後に向けて新規ユーザーの開拓余地を十分に残している。
さらに、ミネラルウォーター市場は、2017年度は2016年に発生した熊本地震による需要増からの反動や夏場の天候不順などから縮小したものの、有望市場の一つであることに変わりはなく、一過性のトレンドとしてではなく生活の根底にあるものとして底固いニーズが存在している。
しかし、急激な落ち込みは考えにくい一方で、これまでのような急成長も今後は難しくなっていくものと考えられる。
今までのような急激な拡大は難しいものの、今後は地方都市など伸びしろが多いエリアや高齢者層の開拓が進むことで、穏やかな市場拡大は続いていくものとみている。
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