新型コロナウイルス/上場企業50社が売上下方修正「総額4064億円」
2020年03月11日 13:30 / 経営
帝国データバンクは3月6日、新型コロナウイルスの影響による上場企業の業績修正動向調査(3月3日時点)を発表した。
調査によると、3月3日時点で、「新型コロナウイルス」の影響を含め、業績の下方修正(連結、非連結)を発表したことが確認できた上場企業は50社となった。内訳は、東証1部(重複有)が29社、東証2部(重複有)12社、東証マザーズが5社、ジャスダック3社、東京PROの1社。
50社が下方修正をおこなったことで減少した売上高の合計は、4064億4300万円となった。
特に修正額が大きかったのは、旅行代理店大手エイチ・アイ・エスで、売上高ベースで 1250億円の下方修正を発表した。50社全体の30.8%を占めた。旅行事業・ハウステンボスグループ・ホテル事業を中心に影響を及ぼし、2002年の上場以来はじめての赤字予想となった。
減少率でみると、2ケタの減少率となったのは7社(20%台2社、10%台5社)だった。なかでも、最も減少の幅が大きかったのは、栃木県の半導体製造装置などに使用される静電吸
着・搬送装置システムの開発・製造を行っている筑波精工の 27.9%減となった。
業種別にみると、製造業が26社(構成比52.0%)でトップ。次いで、卸売業(11 社、同22.0%)と続く。生産活動全体とグループ会社の工場稼働へも影響を及ぼしはじめている企業がみられた。
2020年の決算に向けて、先行き不透明感のある新型コロナウイルスの感染の広がりが収束しなければ、今後も下方修正を発表する企業の増加が懸念される。上場企業の動向次第では、その企業を取り巻く周辺の中小企業への影響が派生していくこととなり、引き続き動向が注視されるという。
■新型コロナウイルスの影響による上場企業の業績修正動向調査
(2020年3月3日時点)
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