2020年度賃上げ/実施予定企業72.1%、過去5年で最低に
2020年04月30日 11:30 / 経営
東京商工リサーチは4月20日、2020年度「賃上げアンケート」の調査結果を発表した。
調査によると、「新型コロナウイルス」感染拡大が、賃上げに影響を及ぼし、2020年度(20年4月~21年3月)に賃上げを予定する企業は72.1%(1万6175社中、1万1668社)で、前年度(19年度)実績の80.9%から8.8ポイント下落し、過去5年で初めて8割を割り込み最低となった。
規模別では、大企業(資本金1億円以上)が82.3%(2605社中、2144社)なのに対し、中小企業(同1億円未満・個人企業等)は70.1%(1万3570社中、9524社)にとどまった。19年度実績は大企業81.5%、中小企業80.8%で、大手企業は0.8ポイント増加したが、中小企業は10.7ポイントの下落と大幅に落ち込み、規模格差が広がった。
新型コロナの感染拡大で政府は外出自粛を要請し、在宅勤務も増えているが、自粛の長期化は企業業績の悪化につながる。特に、中小企業は賃上げだけでなく、夏季賞与(一時金)への影響も懸念され、個人所得の低下が個人消費の落ち込みにつながる悪循環も現実味が出てきた。
東京商工リサーチが、3月27日~4月5日にインターネットでアンケート調査を実施し、全国1万6175社から回答を得た(「2019年度調査」は2019年7月2日発表)。
賃上げ予定の1万1668社の「賃上げ内容」は、「定期昇給のみ」が57.7%(6735社)で最多。「ベースアップ」予定は前年度(実績)の42.0%から、30.5%(3,561社)にダウンした。
新型コロナの感染拡大で、先行きが見通せない状況が賃上げ相場にも影響を及ぼしている。5月6日までの自粛要請期間が長引けば、賃上げ実施企業はさらに落ち込む可能性もある。
資本金1億円以上を「大企業」、1億円未満(個人企業等を含む)を「中小企業」と定義した。
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